昭和の風林史(昭和五七年五月十一日掲載分)

2018年05月23日

若い相場ついていくだけ

相場が若いということ。これがなによりの強味だ。弱気はなにか錯覚しているようだ。

小豆はトレンド変わりであるから噴射ロケットの勢いが相場にある。

先週の限月別の週間棒が、まさしくその姿だ。

取り組みも増加傾向ということは、逆ウオッチのチャートでいう相場上昇期に入ったシルシ。

弱気の病気は赤い靴ではなく赤い豆、積んできて、波止場には―と、船が幾つ入ると積み荷の勘定ばかりしている。

それと相場は別である。まして相場が大底叩いて出直ろうという初期の段階でそれをいえばいうだけ売りたい病気がふえるし、病も篤くなる。

大安値から陽線三本立てた相場は成り行き買いである。先三本の一代足を引いている人には判る。

六本木の桑名筋の強引な買い煽りはケシカランと腹を立てる人もあるが、相場が出直るところにきていたことを見逃している。

売り屋だって、さんざん相場を叩いてきた。

相場に腹を立てるなかれ。

三千五百円あたりまでは真空地帯である。一気にその辺まで登りつめて弁当でも開こうかとなろう。

相場が若いということを忘れないようにしたい。

ましてこれから産地のお天気が大きな人気要素になる。昔の人はうまい事を言った。(春の)彼岸天井、葉桜直り。そして金魚売り(のくる初夏)に売りなし―と。去年は五月25日が青田底。本年は二十日余り早い五月六日底。

電話で強弱を聞きにきて自分の弱気ばかりしゃべっている人が多い。だからこの相場、ゆっくり上がると確信を強める。へたなことをいうと、むこうが腹を立てるので拝聴専念。これもまた相場の妙か。

●編集部註
 当時の景気というものは、どのように受け止められていたのだろうか。
 この年のクリスマスイブに経済企画庁がまとめた「昭和57年年次世界経済報告」というものがある。副題には「回復の道を求める世界経済」とあり、冒頭はこのような文章で始まる〝世界的な高金利と多くの国の抑制的な財政政策の影響から、82年の世界景気は同時停滞を強めている〟。
 株価を見ると判りやすい。NYダウは80年初頭まで続いた保合いを脱し上昇基調になった相場が、81年春頃から再度弱気転換。安値のピークを迎えたのが82年8月であった。
 日本は第二次オイルショックを日銀の金融引き締めや労使の賃上げ抑制、省エネ等で乗り切り、日経平均株価は右肩上がりであったが、その流れが止まり、保合いに入ったったのが82年であった。
 ただ、翌年からどちらも上げ潮に転じる。

昭和の風林史(昭和五七年五月十日掲載分)

2018年05月22日

弱気は病気でなおらない

弱気がふえる小豆だが、この相場甘く見たら命取りだ。一瀉千里で四千円台が早い。

弱気に病気にかかった人は「秘伝気を転ずべし」ができない。だから絶対戻り売りだ―というし、二万八千円必至と、それは病(やまい)膏肓(こうこう)である。

それもよろしい。相場の強弱は自由。親子でも違う。『戻りと見ているのか本気で出直りと思っているのか?』と、喧嘩腰で電話がかかってくるが、正真出直りである。

弱気の病気の人は、いろいろなことを言うが黙って聞いていて思うことは、一ツ大きなもの、即ち芯を見逃している。あまり多くのものを見過ぎるから肝心のものが見えない。

それは相場に底が入ったという事である。

そのことについては数日来書いてきたつもりだ。そして週間棒がロケット買い線になっている。日柄。人気。出来高。取り組み推移。自己玉推移のどのチャートも歴然としたシグナルを出しているのだが。

では、どこまで行くか?という。判らんが三千七百円~四千五百円あたりにハマッて、千二、三百円押し。そのあとは天候次第だし人気の流れで判りやすいトレンドに乗るだろう。

今週は二百円、三百円の押しを買うと晩のお酒がおいしいはず。

日足三本安値から赤線でかみついた姿。罫線の初歩で習う買い線である。

それにしても弱気が多い。それは売り玉の利がハゲたか売り玉が掴まって阿呆らしやの鐘が鳴り、馬鹿馬鹿しくて腹が立っての弱気でもある。

相場第一の敵は怒るなである。そのうち三千円抜けから隠れ弱気の踏み絵が始まるだろう。この相場、甘く見たら命取りになる。

●編集部註
 何事も甘く見たら命取り―。『フォーキャスト2018』の翻訳に携わっていて、ここから数年は「説明責任を強いられる」土星の影響が強いと知っているので尚更である。
 これまで物事を 〝甘く見て〟事態に対処している人物は、政治家であろうと、人気者であろうと、その道の権威であろうと軒並み、世間から退場させられる運命にある、と星の動きは語っている。
 選考者の夫のセクハラ問題に端を発し、情報漏洩が発覚。これを理由に2018年のノーベル文学賞の選考が見送られる事が報道された。
 82年の受賞者はガルシア・マルケス。彼はSFでもファンタジーでもない普通の小説の中で、例えば「天にも昇る気持ち」という比喩表現に相当する場面で、本当に登場人物が空を飛んだりする、所謂「魔術的リアリズム」という手法で有名な作家。
非現実的表現で逆に現実が浮かび上がるのだが、今は、現実が非現実化しているように見える。

昭和の風林史(昭和五七年五月八日掲載分)

2018年05月21日

薫風燕返し売り屋を斬る

大底確認。出直り出発進行の号砲。四千円まで一瀉千里であろう。流れが変わった。

目に青葉だが、目には目を、歯には歯を。

S安には愛をこめてS高。これが相場の大底入れのセレモニーである。

大阪が三万一千円(7日)と安値を叩いた日の出来高が一万七百枚。

先月23日、26日、27日と下げながらの大出来高。そのトドメのような商いだ。

東西取り組みがジリッ、ジリッとふえている。完全な安値取り組みだ。

大阪節足新値31本の四千六百二十丁下げ。

天候相場はこれからだというのに出来秋の安値にあと四百十円でとどくところまで叩いては、そんな馬鹿な―と僕は思った。

富士山でいえば登り口よりもっと下まで駈け降りた格好。

要するに五月新甫のS安は、無用の下げだったわけだ。ものには相場というものがある。安値を叩いた向きは人の不幸、即ち仕手崩れを願ったわけで、資力十分の六本木にすれば、売り玉一網打尽の絶好チャンス、風呂敷に包んでしまった。

これで下から強力陽線三本立てれば、昭和57年度の大底が明示される。

すべての軟材料は織り込み済みという幟を建てる。

集中入荷を騒いでも、それは二千五百四十万㌦発表時に判っていること。

トレンドは三千百円あたりの窓、三千七百円どころの窓、恋の丸ビルあの窓あたり埋めるのは簡単。

だから三万四千円は燕返しである。

東京の巧者筋も相場の流れは変化したとドテンしている。買い方二大支柱は新戦略。薫風五月颯爽。

五月は売り屋が相場を高くする―と書いてある。そして硬材は後から貨車でくる。弱気征伐だ。

●編集部註
 窓、マド、GAP―。チャーチストにとって、この価格と価格の隙間は非常に重要な指標である。
風林火山がこの時指摘した通り、その後の相場は、艱難辛苦の上下変動を繰り返しつつ、上げトレンドを形成し、4月に出現した窓を6月頭に埋める。
 しかしこの窓埋め、東京市場で見ると5月末からの大きなGAPアップで生じた窓埋めだった。相場基調は、ここから変容を見せる。ここを柔軟な頭で臨機応変に対応出来たか否かでその後の相場成績が大きく変わってしまうのだから、相場とは皮肉なものである。
 相場とは全く関係ないが、82年の出来事を知らべていて、この年の4月に吉本興業が大阪でタレント養成所、NSCを設立。その一期生として、今のダウンタウン、トミーズ、ハイヒールなどが入学していた事を知る。

昭和の風林史(昭和五七年五月七日掲載分)

2018年05月18日

信ずる者は強し買い場だ

総弱気であるが、買い場だと信ずる。信ずる者は強し、迷いなど微塵もない。

相場に値頃観無用。値頃観は通用しないことは百も承知である。

だから今の小麦は安すぎるという表現は使えないかもしれないが、三万五千円、六千円の一割安、三千五、六百円安は一ツの目途である。

昔から二日新甫の月はよく荒れるといわれるが、五月は四日新甫であるから、荒れ方は、もっとひどいかもしれない。

そして新甫のS安は、買い方をして震撼させた。

思いもよらぬ下げだったようだ。

思うのであるが、このような値段になると北海道の小豆作付け面積は、恐らく増反になるまい。

それでは農業政策上困るわけだ。しかも新甫は産地定期をホクレンが売ったという事で地合いを一気に悪くした。一体これはどういうことか?

道庁も農水省も鐘や太鼓で増反運動しているさなか、ホクレンが冷水を浴びせるようなことをしてはいかん。

市場は集中入荷。在庫面からみた荷圧迫懸念。小交易会。買い主力筋の逆境などを囃して総弱気だ。

しかし、集中入荷といっても先に発表された枠の中での入荷である。騒ぐほうがおかしい。

騒ぐのは相場が騒がせているのである。今月沢山入れば来月は減る。

いまは、弱気のトークが錦旗に思える。だが相場というものは、人が皆弱い時に売って儲かったためしはない。

三万一千円の小豆を売って銭になるとは絶対に思えないから、百万人といえど我れ行かん。相場は気合いである。S安にはS高で応えるのが礼儀であろう。反騰、期して待つべし。

●編集部註
 実際、この年の5月の小豆相場は、振幅幅はあれど上げトレンドである。それを踏まえた上で、これからの記事を読むと含蓄があるのではないか。
 さて先般、この年の5月にシブがき隊がデビュ ーしたと書いた。調べてみて驚いた。同月、中森明菜もデビューしていた。
 1982年という年は稲垣潤一や鳥羽一郎のような今も第一線で活躍する歌手がデビューした年であると同時に、「明星」や「平凡」の表紙を飾るような、所謂アイドル歌手の当たり年でもあった。
 この年の3月21日、小泉今日子と堀ちえみ、今は梨園の妻となった三田寛子がデビュー。翌4月21日、石川秀美、早見優がデビューしている。
 浮き沈みの激しい芸能界で、昭和のアイドルの代名詞と言える人たちが3カ月でこれだけデビューするのも珍しい。

昭和の風林史(昭和五七年五月六日掲載分)

2018年05月17日

人気弱いは結構な現象だ

買い方針も強気方針も不変。駄目底、底練り予定の新ポ安。五月きわめて急騰あり。

北海道10月限は新穀限月。

このサヤが買えなかったので落胆した格好。

市場は弱い材料ばかり目につく。新枠分の通関。集中入荷。梅雨期の荷圧迫など。

相場が緩むと売り方トークのボリュームがあがる。市場人気が非常に弱い証拠。

五月四日新ポは、先月の安値を洗いにいった。これで中途半端に強気しようとした人を、いっぺんにふるい落とした。そして売り屋に自信を持たせた。

これでよいと思う。

安値取り組みをつくるには、あまり早く強気がふえぬほうがよい。

値段としても、日柄にしても下げの限界に達している。売り時代の終わりを告げている。強気は、その事を知っている。だから売られるだけ売らせたほうがよいと眺めている。

弱気のいう新枠の通関も集中入荷も、実需不振も、今急に天から降ってきた材料ではなく、何もかも先刻ご承知。

だから三千丁を崩してきたのである。いうなら、蒸し返しである。

売り屋は、蒸し返しであろうと、なんであろうと、相場が安いのは、響いている証拠だと意を強くする。

新ポ安いことは早くから知っていた。新ポの安いところを買うのがよいと書いてある。

市場は、買い方大手の二本柱の玉整理ができていないから駄目だというが、この二本の柱は天災期に照準を絞ってのオペレーションだから、投げるどころか買いたい値段だろうと思う。

四月十分下げる時は五月きわめて急騰なり。まあ見ているがよい。

底ねり、駄目底―というところで方針不変。

●編集部註
 2月10日の高値から3カ月弱続いた1982年初頭の下降相場は、黄金週間の祝日明け、5月6日の安値で〝コツン〟と底打ちの音を立てる。相場はここから約一カ月間、上昇トレンドを形成する。
 穀物相場のいと深淵にして、難解かつ厄介な所は食べものであるという点。限月に加えて新穀、旧穀の価格差を考慮しなければならない。更に1 980年代は諸外国、とりわけ米国から日本の市場開放圧力が強かった。
 この辺りのえげつないやり取りの一端は、この数年後にソニーの創業者である盛田昭夫が書いた『メイドインジャパン』という本に載っている。
 今思えば、この頃既にグローバリズムの台頭でローカルな市場が壊れ始めていたのかも知れない。
 相場とは全く関係ないがこの頃、シブがき隊が「NAI・NAI16」でデビューしている。この頃の曲がり屋は、この曲がナイナイナイ、金がない、ナイナイナイ、もう止まらない―と聴こえ、イラついていたかも知れない。

昭和の風林史(昭和五七年五月四日掲載分)

2018年05月16日

青葉若葉に奔然と上昇だ

連休明けの相場は足の速い上昇になろう。身が軽いからだ。奔然という言葉がピタリ。

新ポが四日というのも正月じゃあるまいし間の抜けた話だ。去年は五月一日三万四千三百七十円(東京)が頭になって25日安値まで二千七百三十円幅を下げている。

今年は四月一日から27日まで三千九百七十円幅を切った。去年より一カ月早い買い場つくりの展開である。

去年は六月急上昇した。一カ月速いテンポになっているから今年は五月急上昇、あれよあれよだ。

今年の月別波動は前にも書いたが一月高、二月下げ、三月高、四月下げ。となると五月高の番。

人気は弱い。結構なことである。人気の強い時に買って儲かった人、手を挙げよ。なにか材料がないと買えない人が多い。

好材料は後から貨車でくる。それを相場は知っているふうだった。

底が入っている。駄目を入れても底は底。

五月の上げは、売り屋がつくると思う。四月の下げを買い屋がつくったのと同じ理くつだ。

ファンダメンタリストは数字を並べて弱気にひねる。この数字というものほど確かに見えて、まやかしなものはない。ヒットラーの法則も、クレムリンの法則も、みなこれである。

だからファンダメンタリストは理路整然と曲がる。

相場は取り組みであり日柄だ。需給は常識程度でよい。そう思う。

取り組みは安値取り組み。特に10月限など新ポから買ってよい。
昔から葉桜直りと言うし、相場は金魚売りに売りなしとも言った。きりきりと矢車まはる迅さかな。早く買わぬと出発します。三千八百円がある。

●編集部註
 古人曰く、買い屋が買って、売り屋が買ったところが天井となり、売り屋が売って、買い屋が売ったところが底になるとのこと。〝五月の上げは、売り屋がつくると思う。四月の下げを買い屋がつくったのと同じ理くつ…〟というのは、まさしくこの法則に則っている。
 ただし、この相場は大局的には既に弱気転換している。大きな売りトレンドの中の買い場という表現が最もふさわしい。
 突き詰めると、相場は時間に集約される。勝敗を問わず、仕掛けて手仕舞いするまでどれくらいの時間を要するのが自分にとってしっくりするか。はたまた相場の節目となる安値はどれぐらいの時間を要するか等々。
 その昔「ゾウの時間、ネズミの時間」という新書がベストセラーになったが、ゾウの相場を張る御仁とネズミの相場を張る御仁とでは考え方や行動が全く違う。

昭和の風林史(昭和五七年四月三十日掲載分)

2018年05月15日

好材は後から貨車で来る

戻りではない。底入れしての大直り、新しい相場である。材料はあとから次々出よう。

投げも投げたり、出来高27日も東西二万五千枚。

これで高値取り組みだった相場が綺麗に安値取り組みになった。ということは完全に売り時代が終わった。

『強気転換は、まだちょっと早いのじゃないか?』といわれたが、すべての条件が底打ちのシグナルである。

日柄も、きっちりはまった。罫線に下値目標の値段のところと、日柄の限界地点に蛍光ペンで丸印を書いておいたところに、ビシッと節足線が入った。

ゴルフならさしずめホールインワンだろう。

ゴルフはした事がないから知らない。ボールを穴に入れるのが難かしいそうである。あんなもの、寝ころがって草の目を読まんでも、ジーッと心静かに穴を見ていたら、心眼に映る穴が、どんどん大きくなっていくからコーンと叩けば穴がボールを吸い込むはずだと、怖いもの知らずで強気だけは垂れるから、シングル級のゴルファーが辟易する。

これ即ち嫌がらせの年齢。

それより相場だが、『どこまで戻すか?』というから、相場用語に気をつけてモノをいって下さいよ―と。戻すのではない。出直りです。半値回復の三千七百円あたり、恋の丸ビルあの窓あたり。

三千百円、二百円の下の窓埋めは問題でない。

要するに大掃除が終わった。灰汁抜けた。取り組みが大変化した。日柄が十分。人気は弱い。
という事は、出直り条件すべてパスしている。

大阪九限大引二千八百五十円以上に引けたらその瞬間から大変な相場に変身。

新ポの十限買いもよろしい。買い屋は泣いている間などない。新戦場に駒を進めよ。

買い材料はあとから貨車でくる。底が入ったから天井するまで買うだけだ。

●編集部註
 数字で見るより、図で見た方が説得力があると思うので、ここは当時の小豆相場を出来高と取組高と並列で見た方が良い。 この文章が掲載された頃の東京小豆相場を見ると突出して商いが出来ている反面、既存玉が極端に減っている。これを〝投げも投げたり〟と風林火山は表現した。
 この年の4月最終週、東京市場の総取組高は3万枚を割り込む寸前であったが、この出来高を底打ちのシグナルと見たのか新規売買が増加。1カ月後の5月最終週に総取組高は4万枚を突破。これに伴い、相場は上昇トレンドになっている。

昭和の風林史(昭和五七年四月二十七日掲載分)

2018年05月14日

大掃除済めば買い場探し

小豆は10月の生まれ値あたりから買ってもよいと思う。弱気する水準ではない。

小豆相場は次の現象に注目する。
(1)四月23日の出来高(東西合計二万六千六百枚強)は昨年十月19日(大底)の大出来高。
(2)大阪自己玉の売り・買い接近(23日)は昨年10月以来半年ぶりである。
(3)当限新値足は二月10日天井から13本でピリオド。
(4)大引け足は二月9日から三段下げ。そして四月1日からの下げ波動も三段。
(5)取り組み東西合計六万五百枚は今年に入っての最低水準。
(6)下げトレンドを下抜いて瞬間的に底入れしている。

週間棒は長い長い陰線だった。高値買い玉が整理された。

相場は底値圏内にとどいたと思う。

当限納会は、暴落。これは売り方が利食いを先に済ませているから買い方が自分で墓穴を深くした。

日柄は、二月天井から55本。昨年八月天井から十月底までが42本。Wボトムの十一月大底を付けるまでにあと26本を要し計68本。

当限は大掃除だ。大阪など生まれ値(千七百二十円)にあと百三十円。

ウラルの山高けれども時きたりなば崩る―である。

三月の大穀チョンボ納会が、四月納会に影響していると思う。先限、大穀の依頼で桑名が80枚の玉を受けざるを得なくなった現象は〝コミズ〟がかりで、要するに『気が悪い』。勝負ごとには、ほんのささいな現象が大事を招く。

当面は、底入れの作法を見せてくれよう。ゆっくり見ておくと勉強となる。

ひと相場取った人も、大きく打たれた人も本当は休むところである。

夏相場についての考え方を検討してみたい。

●編集部註
 モンティ・パイソンという英国のコメディグル ープがいる。1969~1974年にかけてBBCで放送されたTV番組で一躍人気者になり、英国のみならず、今も世界中で人気がある集団だ。
 そんな彼らが聖書の世界をパロディにした映画を1979年に発表。これが各国の敬虔なキリスト教徒の怒りを買う。
 この作品のラストでは「Always Look on the Bright Side of Life」という曲の大合唱で終わる。「何時でも人生の輝いた部分だけ見ていようよ」と訳そうか。
 82年のフォークランド紛争で撃沈された英国の戦艦の乗組員達が、救助を待つ間この曲を歌った。
 2012年のロンドン五輪閉会式では、勝った選手も、負けた選手も、観客も、全員でこの曲を大合唱していた。

昭和の風林史(昭和五七年四月二十六日掲載分)

2018年05月11日

しばらくは強弱なしです

ひと相場終わったから強弱なしである。値としては止まる所。深追いは感心せん。

小豆相場は長い間、買い方の柱だった六本木筋の陣営に変化が生じて一種の仕手崩れである。

今回の下げでも判るように、相場はいかに日柄が重要であるかを再認識させた。

それはどんな強力な仕手でも相場が老境に入れば、人為の及ぶ所でない。

安値に崩れて、出来高が急増し取り組みが減少するのは、投げに対して売り玉の利食い。ひと相場の終着駅である。

辛抱していた当限の売り玉が利益になりましたと読者からハレバレした電話がかかってくる。今後はもっと楽な相場をするよう勉強します―と。

いつの場合でも大きな相場の後にはいろいろの教訓が残る。

今回は六本木筋や桑名を過大に期待したこと。

三晶の売りを軽視したこと、政策を無視したこと。

三段上げは終わっているのに自分の都合の良い方に解釈していたこと。

相場が終わってそれを振り返れば、なるべくしてそうなった事ばかりである。

買い屋の天下から売り屋の天下に変化したのが、四月新ポである。買い玉が大きければ大きいほど気がついていても転換ができない。

目先的には大体とどいた値段に入った。

三万円割れだ、二万八千円目標だというのは言葉の勢いで現実的でない。

安値で売り込みがふえれば、つかまるが、むしろこれからは値頃観の買いがでるだろう。

四千円は笠である。今年の天候がよほど悪くない限り大きな上値は望めない。しばらく様子をみるところだ。
●編集部註
 相場には上り坂、下り坂。〝魔〟坂という三つの坂がある。これは投機でも投資でも同じである。
 大概、この三つ目の坂でもんどりうって転んでしまう、というのは相場を体験した人なら誰でも理解出来るかと思う。
 相場は簡単なものではないという事は、相場で転んで傷ついた人ならだれでも理解出来る。
 昨今、貯蓄を投資に回せと言う無責任な人達がいる。きっと相場を知らぬ人、相場でまだ傷ついた事のない人なのだろう。
 昨今、眼前の問題に対し即断即決と解りやすさが好まれ、原理原則を曲げて迄、短絡的に解決しようとするきらいがある。
 対症療法と原因療法の違いとでも言おうか、本来は根本を直すのが本筋。 
世の中には投機はおろか、投資にさえ向かない人達がいるという事を知 っておくべきだ。そんな人物を相場の世界に引き入れるとどんな事になるかは、過去に起きた数々の事件が物語っている。

昭和の風林史(昭和五七年四月二十四日掲載分)

2018年05月10日

小豆は戻すところに来た

安値を突撃売りした玉は少々嫌な思いをするだろう。戻り十分を待って売ればよい。

大石商事の敏郎社長『本間宗久三位の伝のにわか勉強ですよ。おたくにもあるはず』と乙部さんの書棚の中から抜き出してきて『正月頃より三、四月まで天井値段の相場、五、六月のうち必ず下がるべし』これです。このあとの文句がよい。『五月十分下がる時は六月きわめて急上げなり』―どうです。

23日の朝寄りは小豆売り建のT社が利食いを入れていた。生糸戦線に兵力を移動させなければならない。T社といえば、堺支店のセールスマンが金売り訪問先で傷害現行犯で堺北署に逮捕された(22日)。強引なセールスで一一〇番され、玄関先であばれた。

小豆のほうは、きつい下げも本日24日で一応終わると思う。筆者のトレンドは目先の下限にとどいた。従って戻るところである。

各限月とも週間棒の長い長い陰線は、仕手崩れがない限り、来週あたり急反発するか、週末たくしあげる。今週の気崩れは、窓二ツあけている。

酒田五法は三山、三川、三空、三兵、三法。

三空叩き込みは埋める。窓からローマは見えないが、三ツ目の窓は御用心。

三位の伝『二ツ仕舞、三ツ十分、四ツ転ず』とある。

では風林は強気に転換したのか?と必らず電話がかかってくる。

『五月中旬より六月中の相場は急に引上ぐる時、また急に引下がるものなり。急に下げる時上も同断』。

強気にはならない。大勢は春天井→青田底。

ただ、今月の下げ幅配給分は、こんなものだとみる。

二千五百円の三千八百円圏内での小高下。弱気が有頂天で喜びだしたから少々あぶないと思うだけ。

●編集部註
 相場とは全く関係ないが、この時の風林火山はよほど『窓からローマが見える』に魅せられていたのだと思ってしまう。
 1982年のこの頃に日本で上映されている映画を調べてみた。
 まだこの頃は東映が東映まんがまつりをやっている。昔は学校が休みの頃に東宝と東映がアニメや特撮ヒーローものを集めた特別上映プログラムを組んでいた。東宝は78年に止めている。
 4月は『窓からローマが見える』以外に東宝系で「刑事物語」の一作目が公開されている。
 金八先生役で人口に膾炙した武田鉄矢が、ハンガーを武器に悪漢をなぎ倒す刑事役で活躍する娯楽作品で1987年までに全5作公開された。シリーズの中で沢口靖子や鈴木保奈美が銀幕デビューを飾っている。