サイクル分析の基本

目 次

世の中全てが周期で動いています。相場も同様、周期、即ち、サイクルで動いています。 その基本を知ることで、相場の大きな流れから、目先の動きまでを掴むことができます。 ここでは相場サイクルの基本的な理論とパターンを判りやすく解説しています。

1.サイクルの概念

サイクルとは周期のことですが、一定の間隔で繰り返し起こる測定可能な現象のことをいいます。例えば、天体観測では、100%の確率で将来の動きを予想することができます。

つまり、何年、何月、何日、何時、何分に満月になる、或いは新月になる、さらに何年後に月食が来る、といったように、地球の自転に異変が起きない限り、将来の正確な時間を予測することが可能です。これは地球を始め、他の天体が円運動をしていることから、その周期性を利用して将来の動きを正確に予測することができるからです。

同様に相場にも周期が存在しています。簡単に言えば、相場が底を打って上昇を開始します、しかし上昇がいつまでも続くわけがないですね。いずれ天井を打ち、その後は下げ相場が始まります。しかし、下げ相場も、いつまでも続くものではないです。いつか底を打ちます。このように、底から上昇を始め、天井を打って、下落し、そして底を打つまでが1つの周期、即ち、これが1つのサイクルとなります。

しかし、相場サイクルという場合は、天体サイクルのように、必ずしも100%の規則性を持って起こるとは限りません。統計的には70~80%以上の確率で起こりうる現象となります。

以上を要約しますと、相場サイクル(周期)という場合、通常、相場が底(安値)からスタートして、天井(高値)をつけ、下落して再び底(安値)を付けるまでの周期を指します。この間隔が統計的なデーターに基づいて、70~80%の確率で繰り返し生じていることを前提とし、次の安値がいつころ来るかを分析するものです。

相場を予想する場合、通常は将来、どこどこまで高くなる、どこどこまで下がるといった価格分析が主流ですが、サイクル分析とは将来、いついつまでに、天井(高値)をつける、いついつまでに、底(安値)を付けるといった、横軸の時間分析が主流となります。

図では1~9がそれぞれの相場サイクルの安値を示し、a~hがサイクルの高値を示しています。
一定の間隔とは特定日、或いは特定の週を意味するものではありません。それはある間隔の範囲内、或いは、時間の許容範囲を伴います。

例えば「6週サイクル」という場合、上の図で相場が1の安値からスタートし、aの高値(天井)を付け、2の安値でボトムを付けました。この間隔が1目盛りを1週としますと、6週間を要したことになります。

再び相場は2の安値から始まり、bの高値を付け、3で安値を付けました。これも6週間でした。しかし、次のサイクルは3から始まり4の安値まで5週間でした。次の4~5のサイクルは4週間でした。さらに5~6のサイクルは7週間でした。

2.オーブの概念

「6週サイクル」といっても、必ずしも6週間隔で安値が到来するとは限りません、6週±1週でサイクルが刻まれており、その確率は70〜80%といいます。残りの20〜30%は4週に短縮されたり、7週に延長されたりします。

この±の範囲を許容範囲となり、これを「オーブ」といいます。通常オーブはサイクル期間の6分の1の期間を取ります。つまり、6週サイクルであればその期間の6分の1、即ち前後1週間がオーブとなり、このサイクルは5〜7週間の許容範囲を持つサイクルといいます。「18週サイクル」ですと、±3週がオーブとなり、このサイクルは15〜21週の期間を持つサイクルとなります。

3.サイクルの種類

前述で少し出てきました「6週サイクル」や「18週サイクル」といったように期間が異なるサイクルがありますが、サイクルはさまざまな長さによって下記のように分類されます。しかし、それぞれが別個に独立してサイクルが存在しているわけではありません。

1つのサイクルはさらに小さな数個のサイクルで構成されたり、またより大きなサイクルの一部分として組み込まれたりします。

( )内はサイクルの許容範囲

1)超長期サイクル:54年サイクル(45年〜63年) 24年サイクル(20〜28年)

2)長期サイクル1:18年サイクル(15年〜21年)、8〜9年サイクル(7.5〜10.5年)

3)長期サイクル2: 4年サイクル(40〜56ヶ月)、3年サイクル(30〜42ヶ月)

4)長期サイクル3:18.5ヶ月サイクル(15〜21ヶ月)、1年サイクル(41〜58週)

5)中期サイクル1プライマリーサイクルPC(市場により異なるが主に13〜19週)

6)中期サイクル2ハーフプライマリーサイクルハーフPC(PCの半分の長さ。主に7〜11週)

7)短期サイクル1メジャーサイクルMC(4〜6週)

8)短期サイクル2トレーディングサイクル(2〜3週)

9)超短期サイクル1:1週間以内

10)超短期サイクル2:1日以内

それぞれのサイクルは下図のように大きなサイクルの一部となっています。

サイクル