昭和の風林史(昭和五九年四月二十五日掲載分)

弱気がふえたほうがよい

小豆は、弱気がふえたところを買えばよいと思う。大きな流れは上を向いている。

この一ヵ月ほどの間に東西の小豆取り組みが四千枚ほど増大している。

もっとも先限は30㎏建二枚で60㎏建一枚という計算にしなければ正確でないが、それでも増加しているのは、異常気象と仕手がかった風雲を呼びそうな市場に、小豆好きの投機家が、投機心理をかきたてている証拠である。

馬体に拍車をかけ、鞭が入るのは第四コーナーを回り直線コースに入ってからである。

小豆の直線コースが五月第二週あたりからなのか、六月に入ってからなのか、それは判らない。

昭和56年の場合は二月、四月、六・七月、八月と四ツのレースがあった。今年も、あのような幾山越えてという起伏に富んだ展開になるのかどうか。

去年の相場は55年型だった。55年小豆は一発棒立ち一万円幅を噴いて名古屋大同物産が休業に入った。

去年は八千丁棒立ちで玄人筋は憤死した。

56年は前年の55年高値を上抜いた。案外今年はこのパターンで、去年の高値を抜く場面があると思う。

市場人気は、まだもやもやしている。これがよいのである。弱気が多いほど踏み上げがきつくなる。

高納会予想の裏が出て、人気が弱くなり、売り込みがふえれば、これは理想のコースでなかろうか。

あわてず騒がず、満を持す。先は長いのである。

でき得れば、早々と規制を呼び込まないことである。決して市場管理の神経を逆なでしてはいけない。役所もポジション・トークが激烈になれば、価格に介入しないとは申せ、取引所にやかましくいわねばならない。

流水先を競わずという。大きな流れが上を向いている以上、トレンドに乗っておればよい。月末にかけての押しは買い場だ。

●編集部註

 大同物産―という名は鍋島高明氏の『マムシの本忠』にも登場する。

 商品先物会社は、この頃から令和の現在に至るまで続いている会社や同じ屋号を名乗っている会社が数える程。大同物産もその内の一つである。

 本文には55年に休業とあるが「ミリオン貿易」に商号が変わっている。

 平成三年、ミリオン貿易は光陽グループに加入し、その九年後、本社機能を名古屋から東京に移す。翌年には光陽ファイナンシャルトレード株式会社と商号を変え、更にその十年後、KOYO証券と商号を変え、現在に至る。これらは全て、同社のWEBサイトに掲載されている。