昭和の風林史(昭和五八年五月十三日掲載分)

2019年05月23日

小豆は順調予定のコース

きょう精糖がS高ならこれを売ったら取れる。小豆はズンズン高くなる前兆である。

輸入大豆はパニックだ。

シカゴ期近は五㌦90を取りに行きたいトレンドから離れない。

向こうも投機筋がPIKで高値買い付いて、この買い玉整理が強要されている。

天候のほうは時ならぬ降雪などあって気がかりだが、それは取り組み内部要因が玉整理を終わってから相場に利いてくる材料で、いまは聞く耳もたない。

穀取相場は先限(大阪)三千八百円。期近三千四百円あたりは考えておかなければならない。

売り玉の利食い戻しや値頃観で買ったあとは、基調下降のトレンドにまた乗って下げる相場だ。

一ツの物差しとして東西二市場の輸大自己玉売り合計が一万八千枚ぐらいまで減らない限り、この相場は出直れない。

ということになるから戻れば売りの片道切符だ。

小豆は大阪当限の買い目立つ店が投げてしまえば随分風通しがよくなる。

人気面は産地天気好調も重なって早や豊作人気のベタ弱気だ。これは玄人中の玄人ほど弱い。古品30万俵余る。11月必着新穀二万九千円割れのザラバ売り。

とにかく弱気を論ずる材料に事欠かない。

しかし相場は下がらない。いま買っている人達は千丁下げても投げない人である。否むしろ買いさがる根性とストーリーを持っている。投げなければ弱気の売りで下げても下値は知れている事を知っている。

ある弱気の人が、なぜ強気するのかその理論を聞きたいと言ってきた。

理論なんかない。ただ言えるのは曲がり屋に向かえと相場は相場に聞けである。

理くつをこねれば最近の出来高と取り組みの、かすかな変調である。

ゴムは10円戻す力が出るかどうかのところである。精糖は13日S高なら絶好の売り場になろう。

●編集部註
 コミュニティ内での常識が、存外コミュニティ外の非常識であったというケースは少なくない。
 その昔、弊社で発行していた月刊誌に掲載していた「短期売買100の法則」を増補改訂版としてこの度電子書籍化するにあたり、再度読み返していて痛切に感じる。
 特に今回のシカゴ大豆のような海外市場は時として相場そのものの世界が一変する事があり、この時、頭を切り替えず過去の動きに拘泥すると、たちまち死んでしまう。

昭和の風林史(昭和五八年五月十二日掲載分)

2019年05月22日

小豆三日見ざれば忽然たり

男子三日見ざれば忽然たりという。小豆もここ両三日で革命するだろう。輸大は駄目。

ゴムは下げ止まる地点にある。この下げ抵抗は、更に一段安をするための時間調整なのか、それとも人気が極端に弱くなり過ぎたから目の覚めるような反発を入れるのか、これは中東の緊張(イスラエルとシリア)の様子や円相場の流れなど絡みあうだけに、なんとも言えない。

ただ、内部要因面で気になるのは、高値?みの買い玉が未整理であるが、人気がベタ弱気になったことである。

人気が弱くなるには、それだけの要因があるわけだが誰もが判るような売りやすいところを売って利になることはない。

輸入大豆は相場にヒビが入っている。大衆のブルパワーが逆エネルギー現象に転嫁してベアパワーになったから理屈の通らぬパニックだ。

結局、元の木阿弥ということで大阪先限三千八百。東京三千九百は三月時分の水準に帰る。

相場でなにが怖いかといって知らぬ間に日柄を食って、しかも需給がそれほど逼迫していない商品の人気買い一巡したあとである。今の輸大は中豆のシコリ玉も大きく、シカゴの天候相場(七月、八月)までには奈落の底に一度投げ出される試練を必要とする。

小豆相場のほうは文句なしの強気である。

叩かれても六千五百あるなしだ。あればよし、なければよしで買い拾う。

筆者が強気に転換してからの買い玉というものは、これは投げる性質の投機家ではない。信ずるものは強しである。

ここ数日を過ぎれば、これが小豆相場かと、即ち男子三日見ざれば忽然たりとなるだろう。

それは出来高に兆候が現われている。材料を論ずる人は強気になれないが、相場を論じて判る人は黙って小豆を買うのである。

●編集部註
 高校時代に歴史、特に世界史の成績が悪い人は大抵、頭の中に地図が入 っていない。逆に言えば地図が描ける人は得てして歴史の成績が良い。
 試しに日本地図でも世界地図でも書いてみると良い。意外に描けそうで描けない自分がいる。
 ある有名作家の趣味は他人にいきなり日本地図や世界地図を描かせたものを集める事だという。
 地球が丸いという認識がなかった時代、英仏独伊の人たちの目線でルーマニアのあたりは東欧、中国や日本は極東、その間のトルコやイラン等の国々は中東と呼ばれた。
 地中海の東のどん詰まりに面した中東の国々は上からトルコ、シリア、レバノン、ヨルダン、エジプトとタテに並び、第二次大戦後は、ヨルダンとエジプトの間にイスラエルが割り込んで来た。部族・民族間、宗教間、の対立はこれで更にややこしくなってしまった。

昭和の風林史(昭和五八年五月十日掲載分)

2019年05月21日

小豆の買いが判りやすい

為替絡みの商品は難かしい。時期的に総弱気の小豆を強気していこうと思う。

小豆の人気は弱い。実需不振、在庫圧迫という頭重い材料が尾を引いて、しかも産地の天気がよろしい。

播種もそれだけ早くなる。

だからこの相場買えないというのは至極当然であるが、相場というものは至極当然が当然でなくなる。

天気というものは60日ぐらいで変化する。今までが順調すぎたから、恐らく発芽→生育の時期にきてこの反動がくるだろう。

いま、安い小豆を強気する人は本当に減ってしまった。イソップ物語の狼と少年みたいに、なん回も買ってだまされてきたから買う気にならんのも判る。

まあ、それはそれでよいわけで、われわれはあの頃弱気を通してきたから、逆にこのあたりから買う。

買うといっても安いところ、安いところを拾っていく。日柄の面から必ずなにかあるはずで、なにかのキッカケがあれば、人気の面で様相は急変する。それを待っておるわけだ。

輸入大豆は円高とシカゴ呆調で売られたところに投げが出た。

円高はこれは流れだから仕方ない。更に高くなるトレンドの中にある。

相場に気やすめは通用しないが、余程シカゴが暴騰しない限り穀取輸大は買い方敗勢。

考えてみたら一月10日から四月11日まで随分上げている。くたびれた相場だ。

ゴムは円高で安い。期近限月は突っ張っているけれど在庫もゆるやかにふえている。

商社筋が高値?みになっているのと、取引員自己玉も逆境にあるため、期近限月をひねってくる。しかし流れ(トレンド)は下向きである。

このゴムも一月大発会からの日柄食いを見ても判るが、相当に疲れが出てきた。下げる時はS安ということになろう。

●編集部註
 東京ゴムはこの年の1月から押しらしい押しもなく上昇を続け、一度3月に急落後急騰。4月にダブルトップをつけて修正局面に入った。常識的には売り基調と見る。
 しかし、相場の世界は江戸川乱歩が言うところの「現世(うつしよ)は夢、夜の夢こそ真」の世界。5月に修正を完了した相場は8月に向け一本調子で上昇波動を形成する。
 と、日足を見ただけでここまで語れるのだが、如何せん商品相場は限月制なので、一代足で考えると、ここまでのような記述通りに展開するとは限らない。更に、ここにINRO(国際天然ゴム協定)が加わって来るので取引参加者の苦悩たるや如何ばかりか。

昭和の風林史(昭和五八年五月九日掲載分)

2019年05月20日

小豆は買い頃、番茶は出花

弱気一色の小豆のようだが、阿呆になって買いの種まけば知らぬうちに利が乗る。

輸入大豆の値付きが悪い。

長距離だと電話料金ばかり嵩むわけだ。

遠いシカゴの空を眺め、手数料の30円抜けがなかなか難かしいから厭きてしまう。

それでも五月第二週は平年並みなら26%の大豆作付けが終わり第三週で47%が完了。第四週64%まで進むことになる。

シカゴ期近のトレンドは微妙なところ。どうしても一度は六㌦20を割って玉整理(ふるい落とし)をしないと六㌦46~48の頭が重くなっている。

しかもこれから円高基調に向かう為替のようで、大衆筋期待の天候相場の波乱は買い玉投げさせられるというコースかもしれない。

従って今週強張るような輸大相場なら、買い玉逃げておきたい。

小豆は、すぐに相場にならずとも、安いところの先三本拾う。

積極的に強く見えたところで買うのはよくない。

安いところを拾っておけば二千円下げたのだから千円ぐらいは戻そう。

そのぐらいの気楽さというか、おおらかな気持ちでこの小豆を拾っておく。

相場は昔から運・鈍・根という。今の小豆は、これまでもそうだったが賢い人が皆損している。

取り組みが厚く、出来高も多い小豆花やかな頃は賢くないと小豆は取れなかったが、貧の極のような落魄(らくはく)した今の身の上では鈍が財であり、根気がなにより肝要だ。

さてゴムのほうだが、言っていた通りにしている人は、なんの苦もなく取れている。相場はもう精を出し尽くしているから期近を避けて戻す場面を再度売るだけである。

●編集部註
 経済白書の序文に「もはや戦後ではない」という言葉が掲載されたのが1956年。しかしGHQの戦後占領期の政策は1980年代になっても未だなお残っていた。つまり、この時はまだ戦後ではなかった、という事も出来る。
 「三公社五現業」という用語がある。そのうち「三公社」は日本専売公社、日本国有鉄道、そして日本電信電話公社の三つを指す。それぞれ現在のJT、JR、NTTの前身にあたる企業体なのだが、通信事業に関しては国内電話は電電公社、国際電話は郵政省管轄の特殊会社である国際電信電話株式会社(KDD)が事業を独占していた。
 当時の中曽根政権は三公社とKDDの民営化に動く。国鉄以外の民営化は85年に実現した。

昭和の風林史(昭和五八年五月六日掲載分)

2019年05月17日

輸大に厭きて小豆に戻る

輸大相場に厭きがきている。小豆に活力が芽ばえてきた。ゴムは戻りを売ること。

夏立ちぬ。八白土星年の八白土星月に入る。これよりの相場は二日新甫月と重なって荒れようきつし。

シンガポールのゴムが納会。

ゴムはロンドンも産地も値崩れだった。

取り組んでいない10月限の下放れがきつかった。

ゴム先限引き継ぎ線は二本のツノ型M字天井。そしてこれが垂れてきて、小戻したあとの下げは左右同型中央に手ありではないが下げるなら二三五円(先限)あたりに落ちる姿。

すでにこのゴムの相場は丸四カ月を上昇して強材料のすべてを織り込んだ。

そしてさしもの売り気も高値で踏まされ、今では買い人気になったところ。

相場は人の気の移り変わりとはいえ皮肉にも天井したあとの下げを押し目買い人気で食いついてくる。

これ即ち高値おぼえ。相場で最も戒めなければならない値頃観である。

小豆は安ければ先三本買っていくのが本筋。

この買っていくというのは強材料があるから買うというのではない。

相場道奥の細道。総悲観、総弱気の裏を行く。

癸亥(みずのとい)正月甲の年の相場は『水気の移りにして即ちこれ老水なり。老水大陰底として春秋往来するも大高下なく、安回りの順にて大底出す』。

六甲秘伝書にそう書いてある。老水は廃水である。

知らず知らず皆弱気になる。そうなると相場は誰が売ろうと下がらない。いま相場は「静にして事極まり」の段階だ。ゆっくりと玉を仕込むところ。

輸入大豆は円高・シカゴ安で小甘い。

人気面は気迷いである。

決め手になるものはないが、来週あたり活力ある相場展開になりそうだ。

アメリカの大豆作付け状況や天候などがシカゴ相場を神経質な動きにする。

●編集部註
 昭和五八年のこの時期の記述も黄金週間終了後である。この頃は「祝日と祝日の間に挟まった日は休日とする」という、オセロゲームのような法律がなかったので飛び石連休という表現があった。
 この年の4月に東京ディズニーランドがオープンしており、開演直前の2日間、所在地である浦安市の市民全員を無料招待するというプロモーションを敢行する。
 オープンは4月15日。この年の黄金週間には来場客で溢れ、5月23日に入園者は100万人を超え、9月5日には500 万人、翌年4月には10 00万人を突破。あれから37年、平成、令和となっても客足が途絶えない。

昭和の風林史(昭和五八年五月二日掲載分)

2019年05月16日

小豆の安値ゆっくり拾う

春の天井を打って青田底を取りにいく小豆の格好。玄人総弱気だから強気がよい。

小豆に対する玄人筋の人気は極端に弱くなっている。

九千円台を買ったつい先日のあの強気が、まるで嘘のようである。

大衆筋は九月限のこの安値を買いさがりで、それが取引員自己玉九月限売り越しにあらわれている。

小豆九月限の安値買いさがり方針は、これでよいと思う。

今回の下げは産地の天候がよい。自由化問題。大納言小豆の嫌気。不需要期入り。実需不振など、言ってみれば今までに何回も言われていたことであるが、九限一代足で二千円も斬られては強気した人にとって面白くない。

だから多分に今の弱気は坊主憎けりゃ袈裟まで憎しの弱気である。

まあこれだけ下げてこれだけ弱気がふえたのだから八、九月限の安いところを買いさがればよいと思う。もう七千円を深く割り込む相場でない。

輸大のほうは飛び休で気乗りしないところ。

しかし五月上旬は強張りしそうだ。アメリカの大豆作付けも早いところは五月第一週から始まる。

向こうの天候がどうなのか、シカゴ相場がこれを教えてくれる。

ゴムもロンドン高に敬意を表した程度に戻したが、週末の相場に力はなかった。

下げたところは売り玉利食い。勢いのある戻しかたをするところを軽く売っていけばよい。

すでに肩さがりの頭打ち型である。今回相場の主導権を握っていた産地シッパーもポジションを移動中。ということは相場は山を越した。あとは日柄の重さが解決してくれよう。

●編集部註
 1983年5月は、当時のローマ法王ヨハネ=パウロ2世が「それでも地球は回っている」と地動説を支持して咎めを受けたガリレオ・ガリレイの宗教裁判の誤りを認めた月でもある。
 色々と時が解決してくれる事がある。この年の5月は、東京裁判に関する国際シンポジウムが開かれている。これは、その翌月に公開された「上位討ち」「切腹」「人間の條件」で知られる映画監督、小林正樹のドキュメンタリー映画「東京裁判」と深い関わりがある。  
 上映時間は227分。長いと思ったら大間違いで、ホロコーストを題材にしたフランス映画『ショア』の503分の半分にも満たない。
 ベルトルッチの『1900年』は316分。エドワード・ヤンの『クーリンチェ少年殺人事件』は236分。この手の映画は体力のある内に見ておくべきだ。

昭和の風林史(昭和五八年四月三十日掲載分)

2019年05月15日

のんびり小豆下値を拾う

国際商品全般が買い疲れ模様だ。しかも五月は円高予想。小豆の安値でも拾うか。

小豆の自己玉は一月中旬以来売りを上回って買い越しが続いてきたが、買いがぐんぐん減って売り越しになった。

この事は小豆の自己玉は大曲りしたことを意味する。

いま人気は非常に弱くなった。七千円を割って六千五百円があっても仕方ない―と見るようになった。

大衆筋は五、六月限の安いところの売りを辛抱していていま愁眉をひらいているところである。

代表的雑豆輸入商社が東穀市場で片建買い筆頭になる買いということ自体が世の中狂っているわけで、おかしいものは、おかしいし、筋が通らぬものは筋が通らないから、相場世界は時間をかけてこれを普通の姿に戻す。

輸入大豆にしても無理が通れば道理が引っ込むが、無理はいつまでも続かず、道理がもとに戻る。

その意味からも関西に集めた中豆が相場の頭を抑える。昔から余り物に値なしという。シカゴも為替も買い方に味方するまい。

将棋でいえば指し過ぎもいいところである。その反動は覚悟しておかなければならない。

輸大の大阪市場は淋れ行く街だ。年がら年中、スクイズばかりの市場は狂気の沙汰で敬遠する。

これは取引所が呆くらだからどうにもならない。

ゴムの相場は崩れたところは売り玉利食いで、利食いしたあと待っていると、また戻してくる。

戻してきて商いのよくできるところをまた売り上がっていく。

野村総研が〝経営者情報〟で円相場は五月二二〇円台に買われるという見方を流していた。

年初来上げてきた国際商品全般に疲労が出ている。シカゴ大豆にしても深い押しが必要だし、ゴムも日本の手当てが一巡すれば反落コースに乗るのだ。

●編集部註
 自己が曲がるという事は、委託玉が当たっているという事を意味するが、業界が玉石混交だった時代、「まだ」と利食いをさせない店もあったとか。大抵「まだ」は「もう」である事が多いのは相場の常識である。
 株であれ商品であれ、2~3年ごとに相場で儲けた人間をピックアップし、「上手い事やりやがって」とやっかむのではなく「夢があるよなぁ」と、成功譚として喧伝して置けば、ジャパニーズ・ドリームというものが育成されていたかも知れない。
と書いては見たが、儲けた側に徳がなければやはり無理か。相場で儲けた人物が多数登場する。鍋島高明氏の本を読み返して、それを改めて感じる。

昭和の風林史(昭和五八年四月二七日掲載分)

2019年05月14日

小豆は安値売るべからず

輸大は悪くなると思うよ。春の天井打っている。小豆は安値売らず。ゴム売りのまま。

受けも受けたり、渡しも渡したりという大穀輸大当限納会。宴は終りぬ。

一体この四月限大豆はなんだったのか?

渡し方も、受け方も空しさのみ残る徒労だったのではなかろうか。

はっきり言って相場はよくない。大量の中豆が関西でトグロを巻いていたのでは、しばらくシカゴも関係ないという相場になろう。しかもそのシカゴは目先的に胸突き八丁だ。

6㌦58ぐらいまでは行って行けないトレンドではないが、向こうも少々買い疲れがきている。

そこへ円高ときたら泣き面に蜂だ。

やはり四月11日に春の天井をしていた。

小豆は、どうという納会でない。

先限は大衆筋が随分買っている。この買いは、難平買い下がって、天候相場に持ち込もうという寸法。

それは良い方法と思う。

大衆筋の売り玉の安いのは、まだ五、六月限に残っている。その売り玉に対する両建に先限を買っているわけだ。一ツのテクニックである。

値頃観はいけないのだが、小豆の八、九限のこのあたりからの安値は売る相場ではない。金魚売りに売りなし、葉桜直りか。

ゴムはテクビー系が買い戦線を縮小していた。

神戸納会がああいう調子だったため急にまた強気が増加した。この買い気がテクビーの売りを隠した格好で、アッと気がついた時は真空斬りになる。

強気は五月も現物は読めるし安値売り玉が四限同様残っているので戦線延長・売り方征伐を言うが、売り方だって安値売らず戻りを待って狙ってくる。

あれだけ綺麗な上昇トレンド上にあったゴムが数日来よじれている。これは暴落の前兆である。あとは待つだけ。

●編集部註
 待つだけ―と、簡単に言ってくれるが、それが最も難しい。
 「嫁さんになれよ」だなんてカンチューハイ二本で言ってしまっていいの
 と、俵万智が短歌集「サラダ記念日」を上梓したのが1987年。この句で登場した缶チューハイは、その3年前の1 984年に宝酒造が日本で初めて発売している。
 因みに、ハイサワーが発売されたのが1980年。瓶のチューハイ「ハイリッキー」が発売されたのが1983年。その昔、東京の下町や場末の安居酒屋で飲まれていた焼酎を、この頃あの手この手で各社がこぞってイメージアップを図っていた事が伺える。

昭和の風林史(昭和五八年四月二六日掲載分)

2019年05月13日

輸大は時間調整の谷間へ

輸大は玉整理と時間調整の谷間に入ろう。小豆は安値売らず。ゴムは疲労色濃い。

神戸ゴム暴騰納会。

本日の大穀輸大は当局の事前調整で表面上は波乱なしか?

さて小豆の自己玉が売りになってきた。これは大衆筋が先限を値頃観で買っている証拠である。

確かに先月も先々月も23、24日の安値が下げ止まり地点になった。まして天候相場が接近しているだけに買ってみたくなる気持ちは判る。

昔は今時分の相場を〝葉桜直り〟と言った。また〝金魚売りに売りなし〟。金魚売りがくる頃の安値は売るなという意味。

さてどうだろう。悪い相場に違いないが売るなら戻りを待ってからがよい。

輸入大豆はシカゴの動向待ち。

ただし円相場の基調が非常に強い。

国際商品はこの円相場で海外高でも国内安にひっくり返されるから怖い。

輸大の人気面は非常に強いが、円高傾向と関西の中豆重圧が気になる。

まして早受け渡しの数量を加えて納会受ける買い方の買い玉が、相場の足を引っ張るのは事実だ。

一月10日底から四月11日までの先限引き継ぎ(大穀)上げ幅八四〇円。中豆という向かい風にもかかわらず実によく上げた。

そしてなお今シカゴ7㌦を期待して穀取輸大も圧倒的買い気だが、天候相場本番前の玉整理と時間調整の谷間に入るところでなかろうか。

輸大の高場は買いポジション離脱のところと見る。

ゴムは五月も大衆筋の安値売り玉の多い限月が当限に回る。

期近売りは四限納会で恐れをなしているが、さしもの相場もこれで一本槍天井をつくったと見るところ。

先限の上昇トレンド離れなど見ていると、いつ大崩れがきてもおかしくない疲労色濃いゴムだった。

●編集部註
 何処となく行間に元気がない。先物相場は売りでも買いでも利が取れるし、実際、風林火山もドラクロアが描いた民衆を導く自由の女神の如く、自ら売りの旗を振っていた事もある。
 その後勝ったか負けたかは別として、そういう時はチャイコフスキーの大序曲「1812年」が行間から聞こえんばかりの筆致になるのだが、今回は演歌だ。いやむしろ怨歌、厭歌の類になるか。
 83年4月のオリコン月間ランキングを見ると、上位10曲中4曲が演歌。1位が細川たかしの矢切の渡し、5位が大川栄策のさざんかの宿、3位と6位が氷雨と。全体的に哀愁を帯びている。

昭和の風林史(昭和五八年四月二五日掲載分)

2019年05月10日

輸大の高場は買い玉離脱

ゴムは人気をふらふらにさせる。輸大はシカゴ高で買われたところ買い玉逃げよう。

納会のあとの輸入大豆相場はどうなるのかと関心高まる。

シカゴ高は前日予想されていた。シカゴ期近のトレンドは6㌦52あたりが目先の急所だ。

穀取相場は大阪買い方が微動だにせず受け切って、一時的なありガスレ現象が表面化した場合の事を懸念する人もある。

しかも、シカゴが支援するようだと、これは怖い。

されど円相場の基調が強いことや、シカゴもあと一段高で反落しそうだし、買い仕手の受けた現物には気の遠くなるような金利と倉敷料が寝ている間もついてまわる。

しかも今後の中国大豆の供給に支障がなければ不需要期に向かうため、昔からいわれる大受け渡しのあと相場は悪いということになろう。

なにがための逆ザヤ大量受けか?という事を考えると、まったく空しく、意味のないことである。

ゴムは神戸が納会前の煎れが出ていた。

期近限月は敏感な反応だが先のほうの限月がぬるい。

一月上旬からの綺麗な上昇トレンドがここにきてようやくねじれてきた。

このねじれは、抵抗しながらも離脱する格好だ。

一般大衆はウカツに売ると突き上げをくらうのを経験しているだけに下げればすかさず売り玉利食い。またの戻りを待って売ってくる。

小豆は三月も四月も23、24日あたりが下げ止まりの日柄で、月の八日に二度も頭を打ってきた。
目先的には安値売らず。

北海道の天気は非常によろしく作付けも前年並みらしいから、早くから天候相場をあてにすると、つまらぬ思いをするだろう。

●編集部註
 この頃、どんな事があ ったのだろうと小学館の戦後史年表を開くと、5月から国産タバコが値上げされるとあった。国産たばこがマイルドセブンで200円に。逆に輸入タバコは値下げされ、ラークは280円に。
 ラークは今も売っており、現在450円。思えば嗜好品も高くなった。値段は上がり、文字通り煙たがられ、禁煙ファシストに叩かれ―、喫煙者は泣き面にハチである。これからはますます厳しくなる。人非人扱いだ。 正義を錦の御旗に、叩いて良い相手を徹底的に叩く風潮は、世間の余裕のなさの証左である。
 その昔、筒井康隆が「最後の喫煙者」という小説を書いた。このエキセントリックな小説世界を現実が追随し始めている。