昭和の風林史(昭和四八年五月三十一日掲載分)

新ポが急所だ 絶好の売り場に

六月新ポ、買い上げたところが天井になる格好。気温は高目が続く。青田ほめでガタガタョ。

「夏来てもただ一つ葉のひとつかな 芭蕉」

先に上があって、それから崩れると見るのが高値に買い玉を持っている人だ。

買い玉を利食いして、それから売ってやろうという魂胆である。

まず下げておいて、それからの上げが大きいと見るのは、安いところに売り玉を立てている人で、売り玉が逃げられたら、そこからの安値を強気しようという考え方だ。

いずれも至極都合のよい考えである。

九月限の四千五、六百円のあたり。十月限の四千六、七百円どころ。この辺を売っている人が多い。

いや、あそこは、相場する人なら、ひとまず売るところ。

八、九、十月限の日足線に二、三百円の空間窓があいている。

ケイ線張りは、この穴を埋める―と見る。

埋めるような相場だと、買い方は、しんどい。回復に時間がかかkるからだ。

強気側は六月15日の札幌神社の祭礼までは霜一発のS高二連―が残っている相場だから三月10日の六千三百円は抜く可能性ありと、期待もし、またそうなる事を願っている。

六月十日は暦張りなら〝五黄ひのとうし〟勢いの強い日であるが、この時の記念日は、あいにく日曜日に当たる。しかも六月は旧暦と新暦が重なって、いろいろと強弱がつく。

この相場は六月の九日、十一日までに抜けてしまうだろうという見方。もちろん強気は上に抜けると見るし、弱気は下に抜けると考える。

十一月限新穀はいまの状態なら六千円台である。強気は七千円台も考えているが、六千円台なら先限引き継ぎ線で完全天井型。へたをすると六月新ポ買い気充満で高値を付けたところが天井値段になりかねない。

予想では六月一日は晴のち曇で気温は上がる。二日曇一時雨、気温高し。三日気温下がるも四日気温上がる―となっている。

買い気が強く、売りが怖い市場の人気だけに、仮りに低温で買われても利食いしたい人のほうが多いだろう。

五千円どころのダンゴ天井を下に放れてくるのは見え見えである。もうしばらくすれば青田ほめ人気に包まれガタガタョ。

●編集部注
 九星波動でも五黄土星は「天底」の象意である。ただ見方は長短で変わる。

 とんでもない相場変動は、穀物相場の面白さであり怖さでもある。

 そのとんでもない動きが、間もなくやってくる。

【昭和四八年五月三十日小豆十月限大阪一万五〇〇〇円・一八〇円安/東京一万五〇三〇円・五〇円高】