昭和の風林史(昭和四八年二月十五日掲載分)

大暴落がある 信念で売るべし

結局は貿易の全面的な自由化である。田中総理の人相が悪くなった。総理の顔は日本のケイ線だ。

「年々に公魚汲みて舟古りし 鶏二」

株が高いと小豆も高い。株が安いと小豆も安い。なんのことはない、円切り上げにふりまわされている小豆だ。

小豆独自の動きではない。

日本中が円切り上げでふりまわされた。見通しが立たないので商売関係者は困った。テレビの解説にかじりつき、経済新聞の解説記事をスクラップし、それでも判ったようで判らないのが通貨問題である。株式市場も投機家筋はフラフラになっている。

商品相場の投機家筋は株式市場を眺め、ワンテンポ遅れてふりまわされる。

小豆相場は結局貿易の全面的自由化という材料の試練を受けるということになりそうだ。

田中内閣苦境に立つという感じ。田中総理の人相が、だんだん悪くなっていくのが判る。去年北京に乗り込んだ時に比べ、なんと変われば変わるものか。貧相である。まるで自信喪失である。田中総理は長くない―と誰もが思う。

これから国鉄運賃の値上げをキッカケに諸物価が高騰する。まさに内憂外患だ。

さて、戻ったら売り上がればよい小豆。突っ込みは利食いする。

強気するなら長期方針。あくまでも世界的な天候不順。豆類の値上がり。インフレ。本年の天候不順予想の先買い。買い主力に対する期待―などがある。

だが、雑豆の自由化。円切り上げ。日柄による相場の疲れ。物価高に神経質な農林省の出方。産地から現物が相当量出荷され、これがびっしりと五、六、七月限にヘッジされていることなどを考えれば、買い主力が先に行けば嫌でも現物の攻勢を受けざるを得ない。

従って戻り売りでよいと思う。この相場が目の覚めるような上昇、たとえば一万四千円相場、とういうことは、とんでもない材料の出現か、買い主力の〝ええい、やってこませ〟と気短かに決戦の方針を打ち出してくるかしかない。

その場合でも、やはり噴き値は絶好の売り場になる。

本年の天候が悪いという決め手はまだない。

もし冷夏型なら―という仮定と同じウェイトだけ、もし順気だったらということもなり立つのである。

安場を売らず、戻したところを売って大崩れを待つところ。

●編集部注
田中角栄は当初「今太閤」ともてはやされた。

その後はマスコミから掌返しで叩かれ、ヒールへと変貌していく。

朝鮮出兵のあたりの太閤秀吉の人相も悪くなっていたのではないか。

見た事はないのだが。

【昭和四八年二月十四日小豆七月限大阪一万三三三〇円・二三〇円高/東京一万三一九〇円・一九〇円高】