昭和の風林史(昭和五七年二月三日掲載分)

2018年02月16日

農水省畑振はなんと言う

相場は怖いところを売らなければ取れん。五千円以上は農水省畑振がなんと言う?。

小豆相場は昨年八月天井→十月底の下げ幅に対して半値戻し地点(先限)、東京四千八百二十円。大阪同七百二十円を手さぐり中だ。

強気は、自由化の問題が高度な次元でくすぶっているから、はきはきした動きにならない―と見ている。確かに自由化問題は目下最大の関心事だが、三万五千円の壁は、相場波動の面から見ても厚い。

また、農水省の畑作振興課が市場価格に介入した時の発言ニァアンスにしても三万五千円までという線引きをしている。(もとより、役人が相場水準についてどうこう発言すること自体が間違っているが)。

だから三万五千円を抜いたら、農水省の畑作振興課は、どのような態度に出てくるのか。また畑振の発言を信じている人たちは火のついたように畑振に抗議の電話を入れるだろう。

その点、農水省の商業課は賢い。去年のあの高騰相場時でも、価格にはまったく介入しなかった。これは商業課が、それだけ先物市場について勉強ができ成長したからだ。従ってノイローゼ患者も出なかった。

それはそれとして、買い方が場で煽りの手を入れなければ上がらんという相場もシンドイ。

北海道小豆が五万五千円しているのだからという強気の論法は、これは少し変だ。去年の今時分、丹波の白小豆は一俵七万円していたが十万円になった。

用途が違うのである。二年凶作の北海小豆が六万円になろうと、定期相場とはコスト、流通、価格の体系が違うのである。

噴き値を売る。

●編集部註
 戦略は間違っていないが、戦術で間違う事は多々あるのが相場あるある。

 吹き値を売るにしても、どこまで吹くのかが判らない。判れば苦労しない。

 その判定の手助けとしてサイクルやアストロロジーがあり、これらをテクニカル分析とは分けて「マーケット・タイミング」と名付けている人もいる。とはいえこのシグナルは頻繁に出るものではない。

 ロジックを重ね結論に達し、信念に基づき取引を始めたが、逆に行く時ほど心細いものはない。
 ここで筆者は2015年に公開された『マネーショート』という映画を思い出す。

この作品ほど相場を知っている人や相場関連の仕事に従事している人と、そうでない人で評価が判れる作品も珍しい。原作は『世紀の空売り』というノンフィクションだが、ここでは逆張りで売り参入し、年単位で曲がり屋生活を送っている様も描かれている。その忍耐が凄まじい。

 相場は「運鈍根」であるという事に改めて気付かされる作品である。