昭和の風林史(昭和四八年一月二十七日掲載分)

必ず爆騰する 一万五千円あり

小豆相場はまだ燃えていないが、いずれ熱気充満、人気が人気を呼び爆走しよう。信念で買え。

「美しき独活一と束や寒見舞 山堂」

現在の小豆相場は、現物市場に精通している人ほど、今の値段が理解出来ないし、一万三千円や一万五千円などとは狂気の沙汰としか思わないだろう。

そして、もう一つのグループ群に属する人たち。すなわち過去の相場師、または過去の相場経験者である。

兵器が時代を変え、時代が兵器を変える。

現在の小豆相場は、ちょうど時代の革命期の断層にあるように思うのだ。

東京―大阪を三時間10分で走る列車が出現する―という話を聞いたり読んだ当時、人々は、そんな事が―と思った。そして危険ではないかと思った。

しかし現実に新幹線列車は東京―大阪を三時間10分で安全に走っている。

今や万人が東京―大阪間は三時間10分だというのが常識で、昔、ツバメは八時間で走り、新型コダマは六時間半でびっくりしたことなど時代の変化である。

(いずれ東京―大阪間一時間半という時代が来よう。ヒカリ、コダマよりも早い列車の名前は、恐らくウワサとなるだろう)

さて、一万三千円の小豆相場、昔は豊作時五千円ないし四千五百円。これが常識であった。当時の物価が現在、なん倍になっているだろう。コーヒー一杯50円が今百五十円。三倍。月給はどう変わっているだろうか。

豊作小豆昔五千円。今一万五千円。三倍。―ものごとは、こういうふうに都合よく解釈し、自分に言い聞かせ、そして信じる。もちろんセールスならばこの手が最高である。自分が信じないものを他人さんが信じるものか。

それで、小豆相場はただいま物価革命の断層にある―の話の続きだが、過去の古き相場観や相場経験はコットウ的価値はあるけれど実用に耐えない。

さらりと考え方を変える。そうしたならば、一万三千円なんて安い値段だと思うし天候が悪ければ二万円相場だってあり得る。

土俵が大きいのである。株式相場で勝利してきた投機家群は数億円、数十億円の資金をもって天候相場に思惑をかけることであろう。

相場はまだ燃えていない。

相場はまだ安値安全圏にある。

ひとたび燃えだせば人気が人気を呼ぶだろう。

●編集部注
当時「バブル」なる用語がない故のこの文章。
今なら一言で終わる。

【昭和四八年一月二六日小豆六月限大阪一万二四二〇円・二八〇円高/東京一万二〇九〇円・九〇円高】