昭和の風林史(昭和五四年十一月二六日掲載分)

師走相場の花形 輸入大豆は大相場

輸入大豆相場は大相場型になった。師走相場の花形になるだろう。小豆もようやく底が入った。

「晴天にただよふ蔓の枯れにけり たかし」

輸入大豆相場が新値に買われて、あなどり難い勢いになった。

中国大豆成約のショック安が、(1)買い玉のふるい落し、(2)売り込みの誘い、(3)申し分ない押し目構成となったわけである。

輸大に対する大衆人気は、売っておけばよいという先入観と値頃感で、輸大市場の環境が、大きく変化しているにもかかわらず、どうしても売られる。

それだけに、この相場は、予想外に上値が大きいと見なければならない。

まず第一に、輸入商社筋の態度が、国内定期市場を、買いヘッジの場としている情況の変化である。これは経済原則による当然の市場利用である。

次に、先行きの需給予測と国内流通事情が、今の価格水準を妥当としない環境に変化している。投機家は、この事に留意しなければならない。

更に、市場内部要因が、東京市場の自社玉が、余りにも売り過ぎという事だ。

自社玉、必らずしも利益になるとば限らず、時と場合によっては取引員会社の財務内容を極端に悪化させ、命取りになる。

(昨今の先物市場は、上場商品によって規模も構造も変革し、投機筋もマンモス化し、専門知識と情報を有するため、取引員会社が昔の感覚で、自社玉ポジションに立てば、逆に取引員の懐を狙った玉が入り込んでくる。香港市場あたりでは、懐が深い―と狙われたブローカーが、随分この手で食われた)。

いわば、〝道場破り〟の玉である。この事は、市場が未成熟期から、成熟期に入る段階で表面化する。

市場が整備されてくると自社玉、ダミー会社玉等は、必らずしも取引員会社経営の安全弁とならない。

従って自社玉問題は、市場が機能するに従い、自然に解決するものである。

それはさておき、輸大先限週間棒が、この相場の先行きを暗示している。それは、末恐ろしい大相場であるという事だ。東京、名古屋五千八百円→六千円。

情勢如何によっては、あり得る水準だ。輸大をなめてはいけない―という事。

小豆相場も、底が入った感じがする。人気は弱いが、相場は十一月20日底だと見る。ただ、今の小豆市場は当業者の支配力が強過ぎるから大衆人気は集まらない。出来高、取組みの大きい輸大市場の蔭にかくれても仕方がない。

●編集部註
 この日、東京大豆は出来高9401枚。取組高5万9316枚。現在の取組高は6~7000枚。

 どうしてこうなった。