昭和の風林史(昭和五八年五月十二日掲載分)

小豆三日見ざれば忽然たり

男子三日見ざれば忽然たりという。小豆もここ両三日で革命するだろう。輸大は駄目。

ゴムは下げ止まる地点にある。この下げ抵抗は、更に一段安をするための時間調整なのか、それとも人気が極端に弱くなり過ぎたから目の覚めるような反発を入れるのか、これは中東の緊張(イスラエルとシリア)の様子や円相場の流れなど絡みあうだけに、なんとも言えない。

ただ、内部要因面で気になるのは、高値?みの買い玉が未整理であるが、人気がベタ弱気になったことである。

人気が弱くなるには、それだけの要因があるわけだが誰もが判るような売りやすいところを売って利になることはない。

輸入大豆は相場にヒビが入っている。大衆のブルパワーが逆エネルギー現象に転嫁してベアパワーになったから理屈の通らぬパニックだ。

結局、元の木阿弥ということで大阪先限三千八百。東京三千九百は三月時分の水準に帰る。

相場でなにが怖いかといって知らぬ間に日柄を食って、しかも需給がそれほど逼迫していない商品の人気買い一巡したあとである。今の輸大は中豆のシコリ玉も大きく、シカゴの天候相場(七月、八月)までには奈落の底に一度投げ出される試練を必要とする。

小豆相場のほうは文句なしの強気である。

叩かれても六千五百あるなしだ。あればよし、なければよしで買い拾う。

筆者が強気に転換してからの買い玉というものは、これは投げる性質の投機家ではない。信ずるものは強しである。

ここ数日を過ぎれば、これが小豆相場かと、即ち男子三日見ざれば忽然たりとなるだろう。

それは出来高に兆候が現われている。材料を論ずる人は強気になれないが、相場を論じて判る人は黙って小豆を買うのである。

●編集部註
 高校時代に歴史、特に世界史の成績が悪い人は大抵、頭の中に地図が入 っていない。逆に言えば地図が描ける人は得てして歴史の成績が良い。
 試しに日本地図でも世界地図でも書いてみると良い。意外に描けそうで描けない自分がいる。
 ある有名作家の趣味は他人にいきなり日本地図や世界地図を描かせたものを集める事だという。
 地球が丸いという認識がなかった時代、英仏独伊の人たちの目線でルーマニアのあたりは東欧、中国や日本は極東、その間のトルコやイラン等の国々は中東と呼ばれた。
 地中海の東のどん詰まりに面した中東の国々は上からトルコ、シリア、レバノン、ヨルダン、エジプトとタテに並び、第二次大戦後は、ヨルダンとエジプトの間にイスラエルが割り込んで来た。部族・民族間、宗教間、の対立はこれで更にややこしくなってしまった。