昭和の風林史(昭和五八年二月二二日掲載分)

輸大の下値に抵抗力あり

輸大は、もう一回やり直しの予備校入り。小豆は超薄商い相場は下げたがっている。

輸大とは売るものなりと覚えたり。

売り玉は回転が利く。戻ったところを売りさえすれば夜が明けたら安い。

強気している側は悲鳴をあげている。

前に回ってのサヤすべり。どこかで期近から歯止めをかけないと、来月もこの繰り返しになる。

強烈なインパクト(衝撃)で流れを変えなければズルズルと今の基調が来月も続くだろう。

高値掴みの買い玉から順番に追証のフダが貼られて投げていく。

追証入れるは苦労でないが、先の見通し立たぬが不安。そのような場面。

シカゴ期近は作付け計画意向の予想以上の減少を好感して買われたが、これが穀取に反応せん。

東京期近の安値は三千三百二十円。T社玉が受けに出れば納会暴騰目に見えているが、T社にテクニック(戦略)なしと軽視されている。

大阪当限安値は三千四百円。渡し玉三百枚前後なら受けてよし。

受けざれば、またまた三月限が売り屋の鳥なき里の蝙蝠(こうもり)だ。

チャートは上昇トレンドを踏みはずした。

もう一回安値から出直しの予備校入りか。東京五百円上げの半値押し七百六十円。大阪七百七十円。急所の半値抵抗ライン死守できざれば三分の二押しまで攻められる。

では大取り組みが減るかといえば、減らない。次から次と人海戦術で安いほど食いついてくる。

相場格言=勝者は必らず血まみれに戦った時の泥によごれたワッペンを持っている(シカゴ)。

小豆は東穀二節45枚という商い高。

いつ棒下げしてもよいダンゴになった。八千円を割る時は一瞬だろう。S安もある下げになる。

●編集部註
 この時期、前年の為替急変で未曽有の円高/ドル安で国内消費地相場にはひずみが生じている。
 小学館の「戦後史年表」をひも解くと、この年の春、NHKのニュースが初めて為替と株の動きを定期的に伝えるようになったとある。東京証券取引所で場立ちが手振りをする様子が、上田ハーローの円卓に座り、数本の電話を抱えたディーラ ー達がメモを飛ばし合う光景がテレビに流れた。
 知ったら仕舞いとは良く言ったもので、こういう情報が世に知られるようになると相場はおとなしくなる。ドル/円はナイアガラフォールズから保合いになっている。
 シカゴ大豆の週足を見ると、82年10月が実質上の大底であった。春まで上昇し、初夏に向けて修正安の後、夏から秋に向けて吹き上がった。