昭和の風林史(昭和五七年九月一日掲載分)

小豆は急反発するところ

小豆は目先急反騰するところ。輸入大豆の前二本は今から買っても十分間に合う。

小豆は急速に人気が冷え込んで、買い方の投げもあり、このあたりから目先的に反撃に転ずるところだ。

線では三万円割れのところの空間窓は案外、飛んで三万五百円、六百円あたりまでは急反騰、買わさぬうちに戻る相場でなかろうか。

あれだけ人気が強かったのに、今の変わりようはどうだろう。

相場というものは、このような時に反転、身をひるがえして、人間様の愚かさをあざ笑う。

台風14号と15号の影響も、これから段段判ってくるだろう。

人気が弱過ぎて売り込めば、あっという反発に足もとをすくわれそうな気がしてしょうがない。

ただし言っておくが、今度の反発は、売らんがための売り場つくり。目先狙いで買うのはよいが、強気になってはいけない。

基本姿勢は三万五、六百円の売り場待ち。相場はそのあたりまでは反発できる。

従って行きがけの駄賃でノコギリ引こうというわけ。

輸入大豆のほうは前二本が特急列車で、今からこれに乗りかえて十分間に合う。

12限・1限も期近限月高に引っ張られて上げんということもないが、しんきくさい鈍行各停だから、手数損などかまわずに前二本に乗りかえたほうがよい。

輸大9限、10限のV反騰は、ここまでくるともう買えない気分が一杯。

しかし、ここまで急伸した相場は、もうその倍、即ちもうあと七百丁高は十分に可能である。

そんな馬鹿な、と笑わば笑え、大相場である。

●編集部註
 この当時のヒットチャ ートを見ていると、あみんの「待つわ」が一位を獲得している。この年の7月に発売された曲であ った。2人組の女性デュエットグループだが、そのうちの一人が、今も活躍する岡村孝子である。
 相場の世界で待つは仁、
向かうは勇、利乗せは智の徳というが、曲がった相場トレンドが再び復活するまで〝待つわ~待つわ~〟と頑張っても、所詮死を待つだけである。
 82年9月の小豆相場は日足で見ると気持ちの良いほどの保合い相場の線形。その後相場はここから一段安になるので典型的な踊り場なのだが、当時の買い方がそれを知る由もなく、待ってみたら何とかなるのではないかという夢を持ってしまう線形であったといえる。 見切り千両とも、無欲万両、損切り万両とも言うが、相場で曲がった時に夢と希望とすけべ心を持つと大概は負ける。