昭和の風林史(昭和五七年一月十三日掲載分)

新規なら三千円以下買い

弱気が多くなる現象が次々出現するほどに、この相場は判りやすくなる。反落またよし。

小豆相場は高い節を追いかけて買っては駄目である。

線は綺麗な買い線になっているが、お祭り気分で(浮かれて)買う相場になっていない。

見渡すと弱気が多い。

その弱気は、素人ではない。玄人だから強気になれない。去年の春と同じだ。

もう一ツは、四月限の千三百円あたりを売って辛抱している。三月限の千五百円の売りもある。

強気になれないのは相場観もあろうが、安値に可愛い売り玉があるからだ。

気まぐれみたいに戻して、商いがいま一ツ伴わず、四千円のハードルを越えられないと、またまたストトンと落ちるかもしれないがここは四千円を買い切ってよし、もう一度反落してよしである。

ただし、三千円を先二本が割ったら買いたい。

三猿金泉録に「待つは仁、向うは勇、利乗せは知」と教えている。

今は利乗せの段階ではない。また、向かうところでもない。待つだけだ。

トレンドは明らかに上向きの新しいチャンネルに乗っているから、材料がどうあろうと、基調は崩れない。

今年の相場を考える上でのコンパスの中心は、北海小豆の四万円地相場。輸入小豆の三万円地相場。定期先限三万五千円中心。

二年続きの凶作をいわなくなったのは三千七百五十万㌦の大型枠に幻惑されているからだが、畑振の誰それ氏がノイローゼになるぐらい政策失敗を反省しているのだから、行政による需給の調節は今後も続く。

それと投機資金の流れを考えれば答えはすぐに出る。

●編集部註
 1982年の小豆相場を鳥観すると、1月は線香花火が燃え尽き落ちる寸前の最後の輝きのような場面であったといえる。 2月に高値をつけて以降、相場は教科書に載せても良いくらい、ローソク足にするとうっとりする程美しい下降トレンドが描かれ、この美しい流れは1983年1月まで続く事になる。
 ここで皮肉なのは、この時点で弱気と見ているプレーヤーの中で、83年1月まで売り方針を貫いている人物は数えるほどいないという事である。
 具体的な証拠は何もない。だが一年を通してしっかり儲けた人が多ければ、商品業界は現在こんな事にはなっていないからだ。
 限月という要因もあるだろう。新穀旧穀の要因もあるだろう。しかし相場心理として、勝っても負けても大なり小なり、人はノイローゼになるという点が大きいと思う。
 先人の相場格言「見切り千両」の更にその上が「無欲万両」という点に、それが表れている。