昭和の風林史(昭和五七年九月十三日掲載分)

今週は輸大期近上昇週間

この輸大前二本は押した幅のまず倍返しがみえている。小豆は、つるべ落としだ。

風林が生糸を書くようでは世も末だ。などといわれた。ほんまや。そう思う。とどのあげくは商取業界違約月間。生糸の角田が危ないという話は前々からあった。取引員経営者として相場の張り過ぎである。七月に京丹、川村のオーナーが小豆の張り過ぎで逆境一発場勘払えず業界に迷惑をかけた。

みんなで違約は怖くないという風潮は、商取業界の信用を落とすばかりだ。

取引所も取引所だ。三木滝蔵氏健在ならば、こんな馬鹿なことにはならなかっただろうと思う。

役所も、あの伊藤課長というのは、なにをしているのだろう。確りしてもらわなければ困る。彼に小豆問題の時、電話したら、えらい腹立ててもの言いよったが、市場利用者は、呆くら行政にもっと腹立てている。

さて、小豆だが、ホクレンの百三万九千俵収穫予想は、ちょっとおかしい。

第一、相場様が、ウッソダーといっている。

三井物産から送ってくれた十勝の小豆の写真を見ると、まるでバナナの房である。こんなの見たこともない。百四十万俵は多すぎるという人もあるが冗談ではない百五十万いくかもしれないよと。

それなら次期枠零でもよいが、そうもいくまい。

市場は、七色パッチの神戸のKさんもそうだが、三万五百円ないし八百円まで戻すだろうと大層強い。

しかしKさんの強弱は、五秒過ぎたらどう変化するから判らんから、その場限りとしておいたほうがよい。

それはそれとして輸入大豆の強いのは、これいかに。期近大阪当面五千円目標がいわれる。今週は輸大週間になろう。

●編集部註
 やはり、悪口は知性と教養があった方が良い。
 〝呆くら〟とは素晴らしい表現である。平成の御代にこの言葉をネット検索してもすぐに出てこないところがまた良い。ネットで出てこなくてもたった3文字で罵詈雑言感が出ている。なかなかこうはいかない。
 凡人だとこういう時には〝ぼんくら〟を使いたがる。漢字だと「盆暗」。賭博用語で盆の上での勝負で目利きが暗い者(即ち下手くそ)の事を指すのが語源。ただ、これだと少々生々しすぎる。
 盆の上で勝負する度胸さえなく、呆けているくせにエラそう―。そんな感じが〝呆くら〟の3文字に凝縮されている。
 〝呆くら〟行政は今も昔も変わっていない。腹は立ちっぱなしである。