昭和の風林史 (昭和四九年六月二一日掲載分)

大暴落がある 反発反騰皆売れ

売りたい弱気がふえなければ、相場は戻り反発反撃反騰これ皆売りになる。相場の大局暴落含み。

「もち古りし夫婦の箸や冷奴 万太郎」

ケイ線万能者は、線型のみを信ずる。

産地の天候も作柄も、需要供給もその中にない。

信ずるものは強し。

戦陣訓詞本訓其の一の第七。必勝の信念。

「信は力なり。自ら信じ毅然として戦う者常に克く勝者たり」

ケイ線信者には、どこか毅然としたところがある。

しかし、その毅然さにはどこか哀愁がただよう。

なぜならば、信じていながら、信じきれないものが残っているからだ。

相場のケイ線などというものは忽然と当たる時もある。しかし、当たらないことのほうが多い。ただし、当たらないケイ線でも、あとから見ると、絵に書いたように的中また的中している。

ケイ線信者が必勝の信念を持ちながら、なんとなく哀愁の影を引くのはこの間の事情を知るからである。

この事は取引員各社のトップ・セールスについても言える。

彼らは〝興奮と絶望の谷間にさまよう〟人種である。時に飛ぶ鳥落とす勢いを持ちて六本木あたりのカウンターで天を衝く強弱を説くかと思えば、ある時は地獄の底からうめくが如き声で絶望する。

だが新撰組はきょうも行く。破れ破れたケイ線信者も、地獄の底にあえぐトップ・セールスも〝明日(あす)を求めて〟消えた希望の火を再び燃やす。

森羅万象眼中に無く、小豆の線型二本只今凝視すれば大暴落あり。

先限一万五千五百円これ趨勢ならんや。

毅然として活目せよ。小豆相場惨落の兆しあり。

先限引き継ぎ千円棒すでに折れて黒線を垂れたり。

不吉の風は楼に満ち山雨来たらんと欲す。三日新ポの不吉は依然として続いているのだ。

六千五百円は買うだろう。当面は七千円台の動きかもしれない。しかし日時を経過すれば六千円中心の動きになっているだろう。

市場に買いたい弱気の存在するあいだは、この相場に芯が通らない。

東は東、西は西。ビギンザビギン、弱気は弱気、売りは売りでなければアクが抜けない。

陰きわまらん事を欲す。戻し、反発、反騰、反撃これすべて売りと知れ。

●編集部注
ロジックが通用しない相場である。よく「三空」というが、あまり上手に決まったためしがない。

【昭和四九年六月二十日小豆十一月限大阪一万八一八〇円・七〇〇円高/東京一万八一八〇円・七〇〇円高】