崩落の兆見ゆ 人気場面は売れ
人気化したり、噴いたところは買い玉逃げて、冷静に売ってみるのも手である。崩れそうだ。
「幾世経し大釣鐘や青嵐 福太郎」
市場の人気は、とみに弱く、新ポ先限八千円台の生まれは成り行き売り―という空気であった。
阿波座の巧者筋も、ここ一両日来にわかに弱気がふえている。
産地の高温続きと、現物の売れ行き不振。そして線型の悪さ。そういう状況下では自然人気の面にかげりが生ずる。
しかし、総体に各取引員とも、お客さんは売っているという。
顧客筋が目立って売っているため、玄人筋は、積極的に売りにくい面もある。
それではこの相場を弱気して下値をどのあたりに見ているのか。
目先筋は五、七百円の下げという。気分的には、そういうところは買いたいようだ。
少々違う見方では発芽順調→順気→懸念された晩霜なし→成育順調の六月十五日過ぎに時点を絞って大暴落必至、九月限の一万五千円割れ(十一月限の一万六千円どころ)を考えている。
それは大崩れである。梅雨不需要期。在庫圧迫。消費停滞。育成順調。順気。青田ほめ。市場人気離散―等々の現象が、ひとつひとつ現実のものとなれば、九、十月限の一万四千七、八百円、十一月限の一万六千円割れもあり得よう。
思えば人々は大相場を早くから期待しすぎた。それだけに相場水準が高いところで時間を食い、見方によっては、大幅に下げて整理する必要にせまられている。
本年の大相場出来はかなり先に伸びるのではないか?と思うようになってきた。
早い話が十一月限の八千円相場が、仮りに天候材料で上昇したとしても九千円から九千五、七百円までのものだろう。上値が知れているという考えが支配する。
産地にも、消費地にも在庫が山を成している時に、仮りに天候不順でも、噴き値は売り上がりに分があるという理くつは成り立つ。
筆者も、線型および相場の味などから、この相場、上に放り上げるならばその反動で本格的な崩れに移るのではないかと思ったりする。先に崩れてくればあとが大相場である。
噴き値、人気化の場面は冷静に売るのも手である。
●編集部註
読みは正確なれど、途中であれこれ逡巡した末に道を誤る。勝負師あるあるである。
レース当日に素っ頓狂な予想をし、案の定ハズレて笑われる事で有名な競馬評論家がいる。
ただレース一週間前の分析は神憑りだという。
【昭和四九年五月三一日小豆十月限大阪一万七一一〇円・一一〇円安/東京一万七〇一〇円・二四〇円安】