昭和の風林史 (昭和四九年八月六日掲載分)

悲観の要なし 厳然強気方針を

ヒビが入ったと見る人が多い。しかし相場にヒビは入っていない。強烈反騰可能な相場と見る。

「ラムネ飲むやすずしき音をガラス玉 絵馬」

これで強気期待の相場は飛び散ったか。

三日満月。四日日曜。二日続きの休日のあいだ、産地の天候は申し分なかった。

そして作柄は進んだ。

週明けの相場は、第一土曜休会の分を含めて二日分の下げを一度に出した格好。

下げが急ならば灰汁抜けも早いと見るべきか。

かなり強気になりかけていた市場が、これで弱気支配になって、戻り売りが幅を利かすことだろう。

線型も〝大もみあい圏〟を下放れ、一見して悪い。ふと昨年の大暴落相場を思うのである。

だが、作柄が決定したわけではない―というこの先の期待が強気に残されている。

早霜。早冷。長雨。台風。病虫害。

小豆先限の一万八千二百円どころ。線型としても急所である。

落ち着けば強烈な買い物の入る地点だ。

旧穀限月の一万六千円。物の値段としても下値の限界に近い。

売り方は利食い。買い方は投げ。束(つか)の間の勝負が終わった。

次の勝負にもつれ込むには買いナンピンの方法がある。

戻りをドテン売りすべきか。在庫、供給量、発券、天候回復、産地筋の売り物増加、仕手後退、作柄見直し―等々を思えば、ドテン売りも充分間に合おうという迷いは迷いを深くする。

長い間辛抱してきて一気に勝負を決めた売り方は、まず利食いして、そのあと戻りを売るか、それともさらに安ければ買いに回るか、その出方が注目される。

筆者は小豆の一万八千円どころは、いかに作柄が回復しようと限界値段でむしろ七月26日からの下げ幅が大きく、急であっただけに、相場のスケールを大きなものにしたと判断する。

まして五日の夜放れ安のこの窓は、短期日のあいだに埋めるものだと思う。

買い方は、しばらく不快な日が続くかもしれないが、筆者は下げ過ぎた相場だと判断する。

直る時は、やはり手亡からである。

相場の寿命は、この下げで長くなった。そしてスケールがさらに大きくなった。ヒビは入っていない。

●編集部註
この時、相場は大きな流れの中の小さな節目。

小豆絶叫アトラクションは垂直落下から垂直上昇した後、休む間もなく下り坂トレンドの上下が厳しいローラーコースターへと乗り移る。

【昭和四九年八月五日小豆一月限大阪一万八二二〇円・七〇〇円安/東京一万八一二〇円・六九〇円安】