昭和の風林史 (昭和四九年七月十日掲載分)

短期間の整理 大勢的な押し目

天候と今夜の作柄次第であるが、整理に入った相場は早ければ十五日以降に反発しよう。

「蚊ばしらや眉のほとりの空あかり 蛇笏」

小豆二万円の壁は厚い。いずれは、あり得る値段ではあろうが、今の時点で二万円は抵抗感が強い。

台風八号が北海道に上陸しそうな進路をとったため連休明けは寄り付きを買ったけれど、大手買い方は、すかさず利食いしたため燃えかけた火は消えた。

考えてみれば一万九千円という水準は、次のようなすべての要因が織り込まれている。

①作柄の悪さ。
②天候不順。
③生産者コストと流通費用の高騰。
④諸物価、特に米価との比較観。
⑤仕手筋の介在と、長期思惑の投機家の存在。
⑥先行きの天候不順と作況低下予想。
⑦市場内部要因。
⑧輸入発券。そして古品の在庫圧迫と実需不振。
⑨新・旧穀間のサヤと小豆・手亡間のサヤ。

考えられるすべての要素を織り込んでの一万九千円である。

旧穀期近限月の〝七月もの〟一万六千五百円。目下のところ、これ以上のモノでない―ということを過去五カ月を通じ念を押してきた。

先限をタレント化して人気を集め、牽引車の役割で煽り立てても、旧穀四月限の腰は重たい。

相場というものは、買っても買っても騰がらない時がある。

熟していないのである。

平年作は期待できないであろう新穀の限月だが一万九千円は十分に買った値段であるという事を証明した。

そこで、相場というものは、買いすぎたシコリをほぐすための整理に入って休養する。

高値から千円押し地点。一万八千三百円あたりが押し目の限界ではなかろうか。早ければ今週末。遅くとも来週あたりから整理を済ませた相場は、再び二万円に挑戦しよう。

しかし、もし産地の天候が今後順調で、高温多照となれば、七月八日の高値が当分の天井となり得ることも考慮しておかなければならない。

去年の大天井が七月の13日。値段も大阪一万九千三百円台であった。なんとなく嫌な感じがしないでもないが、すべては今後の天候の推移にある。大幅安は買い場になろう。

 ●編集部注
 このあたりが買い場であった、という事を当事者は後になって知る事になる。

 逆張りは、口だけなら何とでも言える。実際にやると、己の堪え性の有無が良く分る。大抵は手酷い目に遭う事で…。

【昭和四九年七月九日小豆十二月限大阪一万八八四〇円・七〇円高/東京一万八七五〇円・四〇円高】