目先を考えず 長期投資の時期
ビジネスとしての商品投機を考えれば、今の先物小豆は格好の投資物件である。非常に有利だ。
「豆引くや親の世のまま畦曲る 院鳥」
株式市場は大暴落のあとNY株の猛反騰を映して休日明け急騰した。
10日の休日が狼狽した市場の人気を落ち着けるのに役立った。
商品市場も株式市場の動向には神経質である。株安が心理的な影響を与えることが多い。株式大暴落の九日は商品界も暗澹たるものがあったが、株価が猛然と反発した休日明けの商品市場は全般に安堵の色が見られた。
小豆相場は先限の一万六千五百円以下は、長期投資の対象になっている。
この限月が当限に回る時は昭和50年の八月限即ち天災期限月が商いされている。
昭和49年産小豆を収穫したばかりの時点で、もう昭和50年の天候や作付け動向を材料にするなどは、気が早過ぎるといわれるかもしれないが、目先の一高一低に憂身をやつすのも相場ならば、長期見通しを立て計画的に投機するのも相場の持つ大きな魅力の一ツだ。
生産者米価との比較、小豆作付け面積の大幅減反予想。世界的な異常気象。米国の穀物輸出規制。人類の食糧不足。諸物価の高騰。
そのいずれの面から考えても先物市場の小豆は、安全有利、格好の投機物件といえよう。
インフレ対策としての土地の思惑は、もう過去の語り草である。税制面で厳しくなり、換金性が悪い。絵画等も、この一年に見てきた通り相場は、あって無いようなものだ。
人々は商品先物市場に対して新しい認識を持とうとしている。
筆者は、投機としての小豆相場ではなく、インフレヘッジに最適な物件であり、しかも物そのものの値打ちが将来必ず見直され大幅な
値上がりは間違いない条件の揃っている先物小豆を、あらためて見直される時が必ず到来すると思う。
これまでの商品市場の投機家は投下資本に対する利回りという面からあまり考えることがなかった。しかし、計画的投機ならば半年十割、年二十割の利回りに回すことはそれほど難しいものではない。年二十割の利回りなら、少しのリスクの負担に耐えられるのである。まして、今の小豆の価格なら、そのリスクはきわめて少ない。
●編集部註
先日の当欄でも書いたがNYダウの大底はこの年の十二月の五七〇㌦。もうはまだなりである。
南アに代表されるように政治の不穏は相場に影響する。この週に世に知られた田中金脈問題の余波は徐々に大きくなる。
【昭和四九年十月十一日小豆三月限大阪一万六五一〇円・二〇円安/東京一万六七七〇円・九〇円高】