昭和の風林史(昭和四九年十月十一日掲載分)

安全で有利だ 先物小豆の投機

いまの先物小豆は、なににも勝るインフレヘッジの対象であり、有利安全な投機物件である。

「柿うるる夜は夜もすがら水車 達治」

小豆相場は決め手難の気迷い場面だ。

間もなく広州での秋の交易会が始まる。

交易会での小豆の契約状況に穀物市場が、ふりまわされたことがある。二千㌧出来た、いや出来ない―などと市場は一喜一憂したものだ。

農林省は本年北海道小豆の収穫予想百六十一万俵という数字を出しているため、輸入小豆に対しては消極的な態度のようだ。

生産者事情を思えば、在庫豊富、供給不安なしの小豆を輸入する必要はなかろう。

ところで今、世間を騒がせている問題に核の持ち込みとアメリカの穀物輸出規制がある。

政府当局者は、ただでさえ頭のいたいときに、もっと頭いたの問題が降ってきてまさしくシドロモドロである。

核持ち込み問題は相場に直接関係しないが、政局不安→株安→商品安という直線的思考もできるだけに、嫌な感じだ。

穀物の輸出制限については、将来、日本の農業政策を根本的に改善せざるを得ないものを含んでいる。

大豆、小豆等の増産が、必ずや言われるであろう。小豆の相場師的な考え方ならば次のようになりはしないか。

大豆、小麦の価格高騰→増産。米価高騰→増産。小豆は生産者にとって採算が見おとりする。小豆の作付け大幅に減少→相場高騰。49年産に対する先高期待→現物投資。

株式投資は、目下のところ先行きの見通しが立たない。土地に対する投機も税制面で妙味がなくなった。

そうなると、資産家はインフレヘッジに、なにを求めればよいか。先物市場の繊維、ゴム、バラ積み粗糖、生糸など、株式同様不安がある。

その点、筆者は穀物市場に長期的思惑の資金が流れるだろうと思う。異常気象は今後とも続くであろう。そして人類の食糧危機は現実に直面している。

昭和50年の小豆の作付け動向を考えた場合、いまの先物小豆はなににも勝る有利な投機物件であり、インフレヘッジの物件だ。

●編集部注
既に七日に小豆相場の日足には星が出ている。

星は何かを変える。

この週、巨人のV10は中日の優勝で阻まれた。

この時板東英二が歌った曲が『燃えよドラゴンズ!』である。

【昭和四九年十月九日小豆三月限大阪一万六四九〇円・一四〇円安/東京一万六六八〇円・一〇〇円安】