昭和の風林史(昭和四九年十月二八日掲載分)

沸騰高を秘む 征途漫漫たるも

小豆相場は強気の一本道で判りやすい。予想外の反騰場面が展開されよう。それは踏み上げである。

「二月堂三月堂のの紅葉かな 寛」

小豆相場は一万五千五百円以下の値段はあり得ないという保障が出来たようなもので、来月のシンポに新穀一本の四月限が颯爽と登場すれば三月限より最低六百円高。強気的見方なら千円の上ザヤ発会もあり得るため市場の人気も十月とは随分違ったものになりそうだ。

四月限といえば、これが前に回る時分は天候と作付け面積が市場の最大関心事だし、実際に天災期限月がその時には勢揃いしている。そういう事を考えると23日に付けた一万五千五百十円という安値は九月28日の安値に対する二番底。しかも大地に両の足をがっちろと踏みしめた格好だ。

人々は、まだ戻り売りという見方をしているが、戻りを売って下値が深いのであれば、それも方法であろうが、現在の相場水準が大底圏である事、そして充分に先高の期待が持てる相場を、なにが悲しくて売らなければならないか。

思うに昭和50年は、強気の待望久しき小豆二万円時代の到来である。

三年に一度は凶作と言われた北海道。皮肉にもこの三年間の小豆作柄は凶作知らずで通ってきた。

投機家の考える確率からいえば、昭和50年は三年不作知らずのあとでもありまた太陽の黒点の周期や明治初年以来、零のつく年に冷害が集中していることなどを考えれば、来年にかけての小豆相場投機は、ますます買いの一本道となるはずだ。

すでに何回も言ってきたが、小豆の長期方針に基づく計画的投機が、大きな財産をつくる最も手近な方法であると確信する。

少なくとも今の水準から七千円以上の値段である二万三千円あたりからの相場展開となるだろう。

基準となる考え方は米価との比較、他雑豆との比較、生産者の採算、コスト、産地→消費地間の輸送費など勘案すれば一万六千円以下は、どう見ても弱気出来る地点でない。

まして今後の長期的需要を予測すれば、一年、一年区切りの物差でなく二年ひとサイクルという需給予測が必要になろう。

北海道先限が六千円を割らなかった事や期近限月の下げが浅かった事など、この小豆相場が先高を暗示している一ツの兆候である。

●編集部註
下値を「一万六千円」とハッキリ見極めている。

ここに相場師としての鋭さと凄みがある。

問題は底を打ったからとて片道切符という事。天井は幾らか判らない。

【昭和四九年十月二六日小豆三月限大阪一万六一八〇円・一二〇円安/東京一万六三〇〇円・一四〇円安】