昭和の風林史(昭和四九年十月二九日掲載分)

悲観の要なし いまがどん底だ

いま現在は必ずしも明るいとは言えないが、この小豆相場の先行きは上値が期待出来る。

「柿紅葉地に敷き天に柿赤し たかし」

政治混迷→株安→商品市場に心理的影響という、何回かこれまでに繰り返してきたパターンだ。

小豆市場は、一応下値を確認しているが、今すぐ買いあげていく即効薬がない。

大きく見れば一万五千五百円の七千五百円。この二千円の圏内での上下動である。そして今のところは、この圏内の下の方での六千円中心の上下三、五百円の動きである。

従って地合いが悪いからと、弱気してみても下値三、五百円で一万五千五百円の抵抗帯にとどく。

強気する側としては四月限から焦らずに長期方針ということになる。

当限納会は名古屋、東京が急騰した。

一万三千円台の小豆は、実需の面から考えればドン底の値段である。

いまが、なにもかも最も悪いという真っ暗なところではないだろうか。

相場がこれ以上崩れるようなら生産者団体は出荷調整、大量タナ上げという自衛の態勢を打ち出すだろう。

昭和47年小豆大豊作の時ホクレンは30万俵の棚上げを断行した。

相場は(47年)九月18日底にして十二月新ポ一万三百九十円。その相場が48年に入って二月一万四千円、三月一万六千円に日を噴くとは誰も考えていなかった。

もちろん、強大な買い仕手の出現、狂乱インフレという背景によるものだったが。

われわれは、いまの小豆相場を楽観視しているのではない。

現在は、相場自身が表明しているように、いまいとつ冴えないし、気迷い気味である。

しかし、先物市場本来の機能である将来に予測される価格は、決して悲観したものではない。

東京、名古屋両市場の納会を見ても、相場は底値圏にある事を知った。

在庫豊富、供給過剰を言われながら、納会の受け渡しは少なかった。

言われている大量在庫は落ち着くべきところに落ち着いているのである。

すでに線型は大地に両足を踏んばった安定した姿である。

玉整理も終わり、日柄的にも充分過ぎる下げであってみれば、遠からずこの小豆相場は、将来を先見して反騰に転じると信ずる。

●編集部註
 大勢逆張りが勝利の鍵。

 頭では判っていても、いざ行うとなると難しい。

 ましてや二度三度失敗した経験があれば尚更。結局は度胸の勝負になる。

【昭和四九年十月二八日小豆三月限大阪一万五九八〇円・二〇〇円安/東京一万六二〇〇円・一〇〇円安】