惨澹たる手亡 小豆相場を殺す
海外白系雑豆が手亡相場を殺す。そしてそれが人気的に小豆相場に影響する。陰の陰の現象。
「むさしのの青空青なる落葉かな 秋桜子」
二連休のあとの穀物相場は、きまって崩れる。秋闘の山場を明日に控えた18日は手亡相場がカナダ産ピービーンズの日本向け輸出促進機運を嫌気して崩れ、小豆も気味をそこねた。
穀物市場を見ていると、小豆にしろ、手亡にしろ、相場としては大底値に達しているのであるが、相場として大底値に達しているのであるが、白系統の海外雑豆、ミシガン・ピービーンズなどの輸入成約が相場をこわし手亡相場が、まるで〝蟻地獄〟の蟻のような状態である。
それは昭和47年の中国小豆の輸入成約が、小豆相場を殺したようなものである。47年は中国大陸からの輸入だけではなく台湾小豆、韓国小豆など、陸続と日本の市場に向かった。
思えば、昨年も三月にミシガン・ピービーンズの入船で手亡相場は潰されている。しかし、世界的な雑豆不足→価格高騰。六月にはアメリカの大豆輸出停止など、相場を支える材料と、燃えるような投機熱が市場に充満していたため七月に一万五千円の高値を付けた。
その後、手亡はきつい規制にしばられ、まあた十月には、48年度下期雑豆輸入ワクで、いんげんが拡大され暴落したが、ピービーンズの輸出、石油危機による物不足懸念、海外雑豆市況高騰という支援材料で一万七千円台の越年となった。
今年に入って手亡相場は大発会値を天井に、二月四日まで、およそ三千五百円を崩したが五月16日一万三千円を軽く割ったあとは一万九千五百円抜けまで爆走した。
このように手亡相場は大波乱を展開し、国際性というか、海外事情によって価格の意外性を、つぶさに見せてくれたのであるが、いま、先限一万四千円の下値の限界と思われた抵抗帯をあっけなく破られては、五月16日の安値一万三千円割れ地点まで、底抜けと見ざるを得ない。
この時、ホクレン30万俵タナ上げの小豆相場も年末需要最盛期に向かうとはいえ、穀物市場というひとつの池の中での手亡の波乱は、少なからず小豆相場にも影響し、クロウト、シロウトを問わず相場の迷いを深めるのである。
現実は、身をを切られる風のように冷たく、そして厳しいものである。
●編集部註
先日、お客様から御座候を頂戴した。二重焼、大判焼、色々呼び名はあるが御座候は回転焼だ。
ここの白餡は大手亡豆で出来ている。その昔、この豆の価格を巡り血で血を争う戦いが繰り広げられていたかと思うと、実に感慨深い味だった。
【昭和四九年十一月十八日小豆四月限大阪一万六七四〇円・五三〇円安/東京一万六六六〇円・六四〇円安】