昭和の風林史(昭和四九年八月二十三日掲載分)

反動高が来る 下げ過ぎた相場

人々は不吉な予感を抱いている。今年もまた呪われた夏の終わりになるのかと。だが悲観は無用。

「運河暗し秋暑捨つべきところなく 碧雲居」

駄目だ!!と観念のとどめを刺されたが如き21日の小豆のS安だった。

手亡の〔S高S安〕もきついショックを与えた。

草も木も弱気になびき投げものが目立つ。

小豆先二本の一万八千円割れはスカーッと鮮やかコカコーラ。目を洗うというのか、目が覚めるというのか、久しぶりに見る相場らしい相場だった。

21日、株式市場はダウ95・01安。年初来の新安値に陥没した。毛糸、綿糸、生糸、乾繭、ゴムの相場も惨落した。

穀物相場の崩落は、心理的に株式、他商品の暴落が影響していた。

そして全雑連が19日、通産、農林両省に輸入発券を陳情したことが嫌気された。

さらに言えば、20日の農林省作付け発表で、材料で尽くし感もあるし、その後の作況順調と、気象台の秋は晴天の日が続くという予報も売り材料になっている。

高値を買いついた取組が夏の疲れを出した格好である。

それで、買い方とすれば絶望なのか。

今年もまた〝呪われた夏〟になるのだろうかという不安が誰の胸の中にもある。

ここで桑名筋の大量買い玉が投げてくればパニックである。

八千円台で止まったと見た〝かたまり〟の日足線が抜けた線型は、万人見る目は戻り売りであろう。

筆者はこの相場に対する考え方は袈裟に斬られていても変わらない。

新穀一万八千五百円中心相場と見る。21、22日は下げ過ぎと見る。在庫六十万俵。新穀百四十万俵として二百万俵の供給量は昨年同時点在庫八十万俵、主格予想百八十万俵、計二百六十万俵と比較するまでもなく圧迫要因とはならない。

もちろん経済環境は昨年と今年は、まったく違う。

商品市場の投機資金は痩せてしまったが、供給六十万俵の違いは一俵一万五千円として九百億円の勘定になり、市場の投機資金が痩せた分だけ供給総量も減少している。

要は人気である。人気は今後の天候によって影響しようし、内部要因の変化、他物価との比較観なども再燃すれば、やはり八千円は地相場となろう。

●編集部註
 絶叫マシンが再始動。フリーフォールである。

 平成二十八年の夏は台風に泣いたが、この当時も大雨や、阿蘇山の噴火など天変地異に泣いた。爆破テロも起こっている。

【昭和四九年八月二二日小豆一月限大阪一万七七五〇円・二〇円安/東京一万七七〇〇円・二〇円高】