下げに向かい 買うのが本手だ
安心して見ておれる相場だ。買い場待ち。買い場探し。待っていた下げ。次は反撃である。
「額咲くや渓とて岩の苔ごろも 迷堂」
近い限月から重い。
下げる時期が少しずれ込んでいるため、灰汁(あく)抜けも、それだけ遅れよう。
四連休のところで、日柄がずれ込んだのである。
それで、どのあたりで買い場をつくるか。
下げを急げば反撃も急だ。
ゆっくり下げると、時間を食う。
九月限基準で一万六千五百円。
常識的な予測である。
八月限の六千円割れという見方も出来る。そのあたりが買い場になる。
ここで下げる事によってこの相場は判りやすくなるはずだ。
期近限月が足を引っ張っているに過ぎない。
産地の気温が店頭に記入されるようになった。これからは駆け足である。現物の重さを期近限月が現わし、作柄懸念を八、九月限が象徴する。
崩れてくれば、次に考える事は、どこが買い場になるかである。
この相場は、買いを狙うしかない。
九月限の六千七百円あたりを買わせてくれるようなら五百円も買うという段取りでズンズン買い下がる。
人気が片寄り過ぎて強かった。これを冷やす。売り込みが不足だった。世の中うまく出来ていて、嫌でも売り込むようになる。
期近限月の整理も進む。
身辺を綺麗にしておいてから天候相場に臨もうというところである。
目数から日足の本数を読めば五月22日あたりが目先の転機になるように思う。
例年、活気ある動きに転じるのは六月五日の名古屋は熱田神宮祭からで、名穀が後場休会でお祝いしているあたりから相場は跳ねることになっている。
半値押しなら九月限の一万六千五百円。三分の一なら六千九百円どころ。
普段の月と違い天候相場に向かう時期だけに、この下げは安心して見ておれる。
崩れ落ちるとか、崩れ去るというような現象は、あり得ない。
需給に勝る材料なしという言葉があるが、小豆相場の六、七、八の三カ月は需給より天候である。
買い場待ち。買い場探し。なあに、強烈な反騰の見えている相場だ。迷うことはなにもない。
●編集部注
冷静な筆致。だが市場はもっと慌てている筈だ。
ここから暫く、上下にある程度のヒゲを蓄えた、小さなローソク足が陰陽を問わずに出没する。
【昭和四九年五月十三日小豆十月限大阪一万七〇〇〇円・三八〇円安/一万六八一〇円・四九〇円安】