昭和の風林史(昭和四九年二月二八日掲載分)

まず倍返しへ 相場は勢いなり

勢いがついてきた。いずれ大々的な踏み上げ場面がこよう。大きい相場である。そして早い。

「引く鴨のひたすらにして遠からず 羽公」

三月三日から香港→バンコック→ハジャイ→ペナン→クアラルンプール→ジャカルタ→シンガポールと十五日まで天然ゴム事情視察団に随行して熱帯地方を旅することになり、送別会が毎日のように続いて二日酔いで頭がガンガンする。そして目下、小豆の記者が天然ゴムの勉強で大童である。MRRDBだとかRISDAだとか一夜漬けの試験勉強みたいである。

下準備として神戸ゴム取引所の小西圭介常務から、いろいろな資料をいただいた。

東京ゴム取引所の鈴木正式理事長も心配顔で先生御執筆の「マレーシア・ゴム市場の分離独立」や「天然ゴム相場の考え方」など読むようすすめられお酒ばかり飲んでもいられない。

熱帯にいくのだから映画などでよく見る探険家がかぶっている縁(ふち)がついて、てっぺんにお臍のある白いヘルメットを買おうと思って探してみたが、どこにも売っていなかった。白いズボンも欲しいと思ったが夏ものはまだ売っていないし、洋服屋に依頼しても時間的に間に合わん。

およそ半月ばかり会社を留守にするので段取りがある。毎日の原稿のほうも相場が激動している時だけにストックしておくわけにもいかない。

なににしても大仰なことで、外国に行くという感じが少しずつ湧いてきた。

今年の商品市場は穀物とゴムが主役になるように思う。幸いにして東京ゴム取が後援する視察団に加えていただいた。神戸ゴム取の小西常務から積極的にすすめられたことで本当は決心がついたのである。

行くからにはコストがかかる。その分だけ欲張って現地を勉強しようと思う。

小豆相場のほうは富士商品が盛んに売ってくる。これに対して静岡筋が買った。ホクレンの売りもこの水準にくれば出ている。

人気のほうは、まちまちで、よく買ってきますという店と、売ったままだというところもある。

小生はしばらく相場から離れるので、無責任のようだが、この先どう動いても、どうしようもない。

大勢観としては今までに書いてきたことばかりで、今さらという感じもする。

取り組みがますます太り出せばいよいよ面白くなろう。

●編集部註
 大きく相場が動く時には決まって、遠方に外遊しているという人がいる。

 さて風林火山はどうか。

【昭和四九年二月二七日小豆七月限大阪一万六七九〇円・一四〇円高/東京一万六七一〇円・二三〇円高】