昭和の風林史(昭和四九年九月二日掲載分)

値段はとどく あとは人気動向

台風の影響なしとなった月曜相場の地合いが見どころ判断の急所。下げなければ本物の底だ。

「秋日濃しここも貫く新道路 汀女」

九月の一日は二百十日。今月の相場は二日が新ポで始まる。そして二日は月令望。第一、第三土曜日を休日にした商品業界は今月二連休二ツがあるため正味21日の実働となる。

さて、白露(8日)、二百二十日(11日)、敬老の日、彼岸入り(20日)、十五夜(30日)と短い秋の日が、またたく間に過ぎていく九月の相場。去年は仲秋の名月に、さしもの大下げ相場が底打ちしたことから今年も長引いて彼岸底になるのではないかと相場反騰を期待するむきも多い。

週末の話題は東京丸の内の爆弾騒ぎと二ツの台風の進路、そして株式相場の強烈反騰だった。

小豆のほうは今期雑豆輸入ワク三百七十八万㌦が月初め早々発券となり、約一万㌧。俵にして十七万俵の圧迫が相場にのしかかるだろうという懸念で相場の足を引っ張った。

四国方面に上陸するだろうという16号台風も、月曜には日本海に抜けて北海道の豆作に影響したか、しないかが判ろう。

相場はそのため模様眺めに終わった。

しかし、下に放れてダンゴになった日足線五本は下げ止まり型。反発含みと見られる。

今回の一連の相場崩れをふり返ると八月8日立秋急騰半値戻し頭を山梨筋ドテン売り。株式、他商品相場全面安。作柄回復百四十五万俵収穫予想。板崎・栗田両氏の大量投げ。14号台風本土上陸後熱低となる。雑豆輸入大型発券予想。マバラ買い方の投げ。納会で山梨大量渡し―。

この間、およそ二千五百円幅を下げたのである。市場人気は急速に冷え込んだ。

見渡せば君もあなたも皆戻り売り。

あと、ここから千丁という人気。趨勢すでに相場天井せりという空気だ。

月末、八月決算の中井繊維が九月限、十月限各五百枚を第一、乙部、山三で付け替えしたのが目立った。〝中井さんはいいな、中井さんはいいな―〟という歌がある。二千丁引かされた。預けてある玉千枚分を節税対策で損切りして、あらためて新年度にコスト安の玉を帳面に記入する。

今期儲かりすぎたための大掃除をゆうゆうとやっていた。

●編集部注
相場も不穏、天候も不穏、社会もまた不穏。

この頃阿蘇山が噴火している。東京丸の内では左翼ゲリラによる無差別爆破テロが発生。無辜の市民が巻き添えを食らう。

【昭和四九年八月三一日小豆一月限大阪一万七〇三〇円・一六〇円安/東京一万七〇五〇円・七〇円安】