信じ難い作況 だが下値に限界
百六十一万俵収穫予想のショックは大きかった。24日もS安だろうが投げ終われば反省高に転じよう。
「えのこ草風雨あとなく曲がりけり 蛇笏」
小豆の反収二・六三俵予想に、市場はたまげた。収穫百六十一万俵。
百三十五万俵ないし百四十五万俵という範囲の中で考えられていた相場だけに〝指数一〇三、やや良〟は信じ難い作況だ。
20日は小豆ストップ安。一万五千円が言われた。
手亡反収二・六一俵収穫四十五万俵は、だいたい予想されていた数字であるが、小豆安に同調した。
小豆の需給感が根底から変わるのである。
当面、一万七千円台を地合いで買った玉の投げが値を崩すだろう。
しかし値段が安くなれば、百六十一万俵予想に疑問を持つ人もふえてこよう。
また、三連休の間に冷え込みがきつく降霜被害などあれば人気は急変する。休みのあいだに、たいした降霜もなく、刈り取りが着実に進むようなら休日明けは、20日のS安で投げられなかった玉が一度に出て、24日もS安だろう。
市場で言われる一万五千円相場は、生産者側にとって不満な値段だ。
本当に百六十一万俵ならホクレン筋も出荷を調整するだろうし、農家も売り急ぐことはない。
三日間の休みのあいだに、人気が落ち着きを取り戻すかどうか。休みの間に人々は、いろいろなことを考えるだろう。
相場の微妙なところである。仮に休日明けもS安なら、案外、利食いと新規買いが入って、大引けは強力に反発する可能性もある。
当限九月限の高値が一万七千七百四十円。この三割安地点が一万二千四百二十円。一応下値の目途である。この値に当先のサヤ三千円と見るなら先限一万五千四百円になる。
先限引き継ぎ最高値一万九千八百四十円の三割安なら一万三千八百八十円。
そういう値が瞬間的にもあるかないかという事。本年の小豆の反当たり生産費は二万五千七百円で、この値には生産者の利益が入っていない。仮に反当たり一万円と見ても三万五千七百円を必要とする。反収二・六俵なら一俵当たり一万三千七百円。調整費、運賃等最低二千円と見て一万五千七百円はギリギリの線だ。本年は人手不足で出回りも遅れそうだ。
●編集部注
昭和四九年九月第三週末の小豆はストップ安。
その翌週、相場は売り方を喜ばせ、買い方の心を折る下げ模様を見せる。
思惑が膨らめば商いも膨らむ。最終局面である。
【昭和四九年九月二十日小豆二月限大阪一万六四二〇円・七〇〇円安/東京一万六五二〇円・七〇〇円安】