昭和の風林史(昭和四九年三月十三日掲載分)

迷宮の出口 買い方針を一貫

エネルギー発散は七千円抜けから。新穀の呼び出し相場は必至。押し目待ちに押し目なしの展開。

おっかなへっぴり腰で一万七千円を窺っている。

東の市場は監督長官のお膝元ともあって神経を尖らせている気配がありありと出ている。反して大阪、名古屋はそれほど意識過剰にはなっていないようだ。

暖候期予報に対する受け止め方は各人各様でがら、どうひねくり回したところで大して参考にもなりそうにない。

ただ、類似年として昭和三十八年、四十三年を挙げている。両年とも共通しているのは、播種期から開花期前後までの天候が比較的よく、あと結実―収穫までの天候が低温、不順であったことだ。

38年の反収二・三二俵(推定実収高百二十二万五千俵)

43年の反収二・三五俵(推定実収高百九俵)

平年作の反収二・四五~二・五〇俵からすると、決してよいとは言えないが、冷害というほど極端に悪くはない―というところ。

ところで相場の方は派手さはないものの、ジワジワと下から押し上げる強さがある。

出来れば今週一杯、日柄の目を一ツ、二ツ、三ツ…と数えつつもみ合えば、絶好の仕上がりとなろう。

ゴッホが「もう絶対に私の書く絵を売る気はない」と叫んだときから、彼の絵には生命が脈打ちはじめたという。

小豆相場も一万七千円のとりでを攻略したときから、活活と本来の動きを取り戻し、内包するエネルギーを思う存分発散させよう。

いま判っていることといえば、途方もないエネルギーを持てあまし気味なのと、「上がらない限り下げられない」という厳然たる事実だ。人はこれを新穀の〝呼び出し相場〟という。

なるほど、ホクレンのつなぎは一万枚(四十万俵)に達しているかもしれない。そのほか業者のつなぎも五千枚を下だらないと推測される。

一見多いように映るが、これは消費地各市場に分散し、四~八月の各限月に大なり小なりハメ込んだ数量だ。しかも、輸送事情、保管料(消費地の方がはるかに高くつく)の関係でその大半は海を越えていない。

大きく突っ込めば買っても―というのは淡い期待、ほんのご愛嬌にすぎないのである。

●編集部註
 三月もここまで過ぎると、日足に刻まれるローソク足の中でも四日の陽線の異様さが目に付く。

 海外でも〝アイランドリバーサルギャップ〟と呼ばれるこの相場形態は、暴落を予兆となる星だ。

【昭和49年3月12日小豆八月限大阪一万六七九〇円・五〇円高/東京一万六六五〇円・六〇円高】