昭和の風林史(昭和四九年三月二九日掲載分)

まだ逆張り圏 五千円台買い場

玄人筋の見方では本年の小豆は売り勝負だというが、それは八千円、九千円を付けてからである。

「野道ゆけばげんげんの束すててある 子規」

この冬は例年になく十勝地方に雪が少なく、そのため土の凍結が非常に深いそうだ。

土の上に雪がかぶっていると保温の役目をする。春になってその雪が解ければすぐに農作業にかかれる。

雪が少なかったため土中深く凍結してしまい、ビートなどの種蒔き作業が遅れている。

相場のほうは小千丁を反発して利食い押しを入れた。

前に回る四月限小豆の一代の足取りを見ると一万五千円と六千円のあいだの相場である。

日足百八本のうち六千円以上が14本。五千円以下が15本(引け値重視)。ほとんどが五千円と六千円のあいだで押したり突いたりしている。

そして、かなり大きく動いたように思うけれど高安三千円幅の相場でしかない。

六千円以上は売り、五千円割れを買い下がっておれば、なんという事もない逆張りだった。

五月限一代にしてもその事は言える。

中心点は一万五千五、六百円である。

考えてみれば判りやすい相場だ。高値掴みになっている玉は七、八月限の六千円割れをナンピン買いしておけば頭をいためる事はない。

最近思うのだが、相場は手に汗してするものではないし、リスクを覚悟してするものでもない。理詰めで淡々無表情に進めていくビジネスでしかない。

ビジネスと思えば八月限の一万六千円割れを待って買い玉を建てていけばよい。

種々の状況から判断して七月限、八月限の一万五千円台は、地相場である事が判ろう。

先に行っての可能性として一万八千円相場もあるだろうが、時局柄大きな値幅を狙うよりは、太い玉で五、七百円幅を狙うのが確実だ。

ひと相場五千丁、あるいは七千丁という価格革命時の変動相場は、年に一度か二度しかない。

市場で現在言われている大勢観は、今年は売り勝負の小豆だという。八千円、九千円をどんどん売り上がっていけば、秋口までにガラがくるだろうと。そのためには現物を今のうちに手当てして、売り勝負をかけようというのだ。

●編集部注
ジェットコースターのような起伏のある小豆の下げ相場は、三月初頭、日足に星が出たところから始まっている。そんな荒れ相場は間もなく陰極に到達しようとしている。

最後が一番エグい。

【昭和四九年三月二八日小豆八月限大阪一万六三一〇円・一九〇円安/東京一万六二七〇円・一一〇円安】