昭和の風林史(昭和五十年二月十三日掲載分)

買い玉は安心 一路強気の方針

少なくとも小豆、手亡の先二本の買い玉は対極的に大幅な利が乗ることは約束出来る。

「白魚や雪のふりこむちぬの海 碧梧桐」

いまの小豆相場は断絶の相場である。

地合いにつながりがない。プツリと切れる。すぐ糸の切れ目がどこに行ったか判らなくなる。

徐行していて、だんだん速度が出てくる。これから加速度がつく―というところで、はたと止まる。

新値抜き。相場張るなら、ここを買わなきゃ―という急所。買ったとたんにはぐらかされる。

だから、調子が出ない。

やっと盛り上がるかに見えたところが、山場になる。

相場が小さいというのか。せち辛いというのか。

無理はないと思う。

時期が時期でもある。それに参加している人たちはクロウトと半クロウトがほとんどであるから、三百円~五百円幅でサッと利食いする。

しかし、こういうことを繰り返しているうちに必ずそうはいかなくなるだろう。確かに市場の人気は強気が多い。今年は大相場ありという。

だが、その割りに買っていない。

作付け面積の傾向が判然とする時分から買っても充分間に合うと見ている。

当限から落ちなければ駄目だという見方も市場を支配している。前二本が落ちなければ上に行けないとも言う。

そうだろうか。

前二本(二・三月限)は高値取り組みで因果玉がまだ残っているし、受け手難と決めつけているが、これだけ下げたら、情勢も変化するはずだ。

手亡を見ても手亡の先限四千七百円の急所(関門)を抜けば大相場へ発展すると見るのはケイ線を知っている人なら誰でも同じであろう。

だが、断絶の相場は、この急所を抜いて、ワッと買うあたりでダマしが入るかもしれない。大衆筋が利食いに入り、クロウト筋が新規強気の態度に出る―というパターンなら、一万六千円台への吹き抜け、即ちS高三発分の相場であるが、逆に大衆筋が飛びつき、クロウト筋が積極売りに出るという今の相場パターンなら調子の出かけの腰を折られる。

まあ、目先のアヤを考えず、今年の相場は大局を掴み、大相場を狙う。いずれ小豆も手亡も本格的な調子が出てくるだろう。

小豆の七千円どころ。手亡の四千二、三百円は買い場だし、強気一貫でよい。

●編集部注
この数日前にサッチャーが保守党党首に選出された昭和五十年二月の英国はこの時、EEC離脱か残留かで世論が二分。二カ月後の国民投票では残留派が勝つ。

この選択に懲りた世代が、昨年の国民投票でEU離脱に投票したという説もある。

【昭和五十年二月十二日小豆七月限大阪一万七一六〇円・一〇円安/東京一万七一九〇円・一一〇円安】