ぶっ飛ぶ相場 火つけば二千丁
火がつけば手亡がぶっ飛んでしまう。このでかい取り組みは火山大爆発のエネルギーである。
「暮れそめてにはかに暮れぬ梅林 草城」
定期市場が落ち着けば、末端の庭はガラあきだけに乾いた海綿が水を吸うが如く安い古品小豆が消えていくはずだ。
『定期を買って、すぐ早受けして、その日のうちに現物を運んだという現象が見られる。だいたい二、三、四のこの三カ月の需要は年間需要を一〇〇として27~30と見ればよいでしょう』と山大商事の関口営業部長は、いまに見ておれ売れるんだから―と希望を捨てていない。
二次問屋にしても店頭に荷物がない。定期相場を見ながら買おう、買おうの毎日だが、少しまて、もう一日まてで、定期の安いうちは手が出ないけれど、すでに定期前二本は大底圏。止まったと見れば買い手が殺到する。
春が来たかと浮かれてみれば二千丁崩しの猛吹雪。市場人気は、すくんでしまったが、先二本厳然たる姿を眺めれば、絶望することもない。
さて、お隣の手亡相場のほうは依然として取組が太い。
思うのであるが、穀物師団の尖兵は身の軽い手亡連隊からである。
作戦要務令・戦闘指揮。
戦闘にあり攻防何れに出づべきやは主として任務に基き決すべきものなりと雖も、攻撃は敵の戦闘力を破摧し之を圧倒残滅する為、唯一の手段なるを以って状況真に止むを得ざる場合の外常に攻撃を決行すべし。
手亡の49年産は10月二千俵。11月五千八百俵。12月六千俵。1月六千俵の約二万俵が北海道を離れた。生産高四十八万八千俵。出回り四十万俵として三十八万俵の供給余力だが九月末持ち越し十万俵は常識だから、今後二十八万俵の供給と見ればよい。
高くなればピービーンズの輸入圧迫が心配されるが目下米国五大湖は凍結していて四月中旬以降でなければ運行出来ず、他の道をえらべば一俵あたり千五百円以上もコスト高になる。
火がつくなら手亡だ。手亡のケイ線逆さに立てて人気寄せれば二千丁高よ。万里の長城で小便すれば―というあれである。
ぶっ飛んでから、たまげてみても六日の菖蒲、十日の菊で、あとの祭り。
●編集部註
筆が踊っている。ノリノリと言っても良い。
しかし、これは相場師としては危険信号である。
当っているうちは良いのだが、一度躓くと、このノリノリが、全て裏目裏目に出る事がある。
と、当の本人が後に相場格言に関する著書の中で書いている。
【昭和五十年二月十四日小豆七月限大阪一万七一六〇円・二〇円高/東京一万七一六〇円・変わらず】