昭和の風林史(昭和五十年一月二二日掲載分)

急落は買い場 ピー圧迫は軽微

ピービーンズのショックで売られた手亡は買い場。昨年の煩いで、すでに免疫ができている。

「三葉芹摘みその白き根を揃ふ 秋を」

全穀連という団体で昭和五〇年度産の小豆、手亡から取引所での売買建て値を今の60キロをやめて一キロ建てにしようかと検討している。仮りに一キロ建てにすると一万七千円の相場なら二八三円三十銭となる。十銭刻みでいくか、一円刻みでいくか、まだそこまで決まっていない。10キロ建てなら二千八百三十三円ということになる。

取引所の相場が一万八千円だ、二万円だ―ということでは世間からも穀物相場の値動きが激しすぎると非難されるが、二百八十三円が三百五円にまで上がったと言っても、さほど世間を刺激すまい―というメリットがあるわけだ。

世間さまを錯覚させようという寸法で一俵二万四千円というよりは、一キロ四百円というほうが、聞こえが悪くない。

名古屋の大同物産の山田実社長の言うには、株式で五百円額面を五十円額面に切り替える場合、必ず五十円券面にしたあと株価は上昇した―と。

上場会社で一時五百円券面が流行したことがある。しかし株式市場では五百円券面は、あまり評判はよくなかった。そこで五十円券面にする会社がふえた。

大同の山田氏は、そういう株を狙い買いして儲けたそうだ。

60キロ建ての小豆、手亡を一キロ建てに変更すると、相場にどのような影響が出てくるだろうか。制限値幅の問題や証拠金、手数料、受け渡し単位なども手直しすることになるだろう。

ちょっとしたデノミみたいなものである。千丁高などという言葉が使えなくなって十六円六〇銭高などと歯切れが悪い。

どうだい、相場は。

へい、五文高で。

ところで手亡相場は一瞬冷たい突風が体の中を吹きぬけた感じで急落した。

伝えるところでは、ミシガン・ピービーンズが百ポンド当たり一五ドル台を割り、気配は依然として軟弱という。

ピービーンズといえば昨年の秋の長煩いが思い出されるが、一部商社が他の白系雑豆との振り替えで少量の契約を進めた程度だ。

国内の手亡需要の逼迫傾向は明白であるから、この急落は願ってもない買い場と言える。

●編集部注
この少し前が大寒。

気象庁は過去の気象データを公開しており、昭和五十年一月二二日のデータをみると、東京は雨。

ただ秩父や河口湖をみると大雪と書かれている。

【昭和五十年一月二二日小豆六月限一万六九六〇円・三〇円高/東京一万七一七〇円・五〇円高】