相場の芯強し 押し目買い時代
国敗れて山河ありという。相場崩れて底値あり時春にして買い気出す。最悪期脱出の小豆相場だ。
「古き世の火の色うごく野焼きかな 蛇笏」
小豆相場は、下げきれない―という感じである。
当限の日足線、一万一千五百円~二千円の間で10本の〝かたまり〟が出来て、一万二千円と二千四百円との間に四百円幅の窓があいている。
ケイ線利用者は、この四百円幅の窓を重視する。
①一本陽線で埋める②ジリ高で埋める③埋めることは出来ない―。
①の場合は、なんらかの強力材料出現。大相場接近せるものと判断してよい。②なら底入れ確認。③は実勢悪未だ解消せず、しかし値ごろとしては下げ余地なし。
先限引き継ぎ線は千円棒を立てた。一代棒でいえば四、五、六、七の各限月が千円棒を記入している。
大台三ツ替わり(七千円、六千円、五千円割れ)の相場は買い。しかも昨年九月11日(秋名月)の底入れから本年一月大発会まで上げた値幅の半値弱の押し。
この相場を売る手はない。一代棒でいえば五月限が最も判りやすいから五月限で説明すれば次の通り。
下げ22本。うち新値10本三千二百五十円下げ。
三分の一戻し=一万五千八十円どころ。
半値戻し=一万五千七百三十円地点。
三分の二戻し=一万六千二百六十円。
そこで、今後の動向を考える上で、いまの相場の性格を掴み出してみるとおよそ次のようになる。
①インフレ疲れ。
②石油相場の腰折れ。
③仕手筋後退。
④天災期待ち。
⑤相場内部要因。
そして次に予想される材料としては…
①仕手筋巻き返し。
②春闘(流通マヒ)。
③春の交易会。
④作付けと天気予報。
⑤春の需要動向。
⑥物価問題と食糧問題。
それらの事を考えて筆者は本年前半の小豆相場の大底は二月四日立春に冴えた音を響かせて人々に知らしめたと受け取っている。
瑠璃(るり)の鍾(さかずき)琥珀濃し。小槽酒したたって真珠紅なり。竜を烹(に)鳳を炮(つつみや)きして玉脂泣く―だ鼓を撃ち皓歯歌い、細腰(さいよう)舞う。日将に暮れんとし桃花乱落紅雨の如くなるをや。
●編集部註
生憎、手元にこの当時の当限日足がない。ただ、この月の先限最安値は二月四日の一万四一七〇円。
ここまで価格の推移を振り返るとこの市場が逆ザヤであった事が判る。
相場格言では「逆ザヤに売りなし」と言われる。
【昭和四九年二月十二日小豆七月限大阪一万五六六〇円・二五〇円高/東京一万五六六〇円・二七〇円高】