昭和の風林史 (昭和四九年六月十三日掲載分)

買い方総反撃 天候不良のマーチ

買いたい弱気の多かった市場。もうよかろうと俄然硬化した。当分天候不順で買い方反撃の場面。

「六月や草の匂ひの水間寺 柳史」

十四日の金沢百万石祭、大阪住吉の田植祭。十五日は東京山王祭、そして北海道神宮祭、いわゆる札幌祭だ。

霜の心配は、もうない。

この日(12日)綿糸毛糸相場がストップ高して市場は緊張した。

小豆相場も人気的に影響して明るい。

伝えるところでは川西地区で手亡の発芽不能、蒔き直しがあったという。天気が悪い、雨が多い、積算気温が予想を下回っている。当分ぐずついた天気が続きそうな気圧配置―など、相場を刺激する要因が見られた。

そういうところへ東京市場は板垣氏と見られる買いの手が川村から出て相場つきが変わった。

小豆の証拠金も引き下げることになった。これは好感される材料である。

さて、ここで今までの考え方を変えるべきか。それとも戻りをもう一度売り直すべきか。

よく下げた相場だけに、利食いと値ごろ観の買い物が入って当然。

それに、弱気していた人たちの、ほとんどは〝買いたい弱気〟であったことも見逃せない。

先限一万七千円以下は本年度産生産者コストの面から見ても、限界であるという買い安心の圏内だ。

帯広の積算気温が低いという強気にとってのよりどころを足場にして買い方主力陣営も、反撃に出る急所の場面である。

まあ、あれだけ下げれば、いいだろう―という気分になっていたところだ。

新値法五本、八本、十二本。日柄法十二本。そのつもりで日足線の目数を読めば、六月10日、時の記念日下げ場面も終わりと告げたと見ることが出来る。

湿りがちな供給相場から、陽気で明るい天候不順という、まっ赤なリボンを槍の穂先になびかせての総反撃に移れるかどうかはやはり産地の天候次第だ。

ここに投機がある。先限の一万八千円失地奪回となるか。あるいは半値戻し程度で、腰くだけとなるか。

人気は急速に硬化するであろう。

筆者は、下げ落ちたあとしばらく閑な市場になるだろうと心配したが、相場は皮肉に出来ていて、これだと活況を呈しそうだ。

●編集部注
思った通りにならないのが相場の常である。

後年振り返って判る。
 
読みは当っていたが、数手動くのが早かったり遅かったり、我慢すべきであったりなかったり…。

【昭和四九年六月十二日小豆十一月限大阪一万七三一〇円・一四〇円高/東京一万七三一〇円・一九〇円高】