大勢上値指向 強気方針で一貫
押し目を入れたあと反騰、新値抜け地点でモミ合い、日柄を稼いで一気に八千円相場実現となろう。
「すずかけもそらもすがしき更衣 波郷」
総じて弱気の多い市場であるが相場は硬化した。
大量の早渡し、早受け、割のよい限月へ乗り替え。目まぐるしい攻防であった。
産地の天候は異常なほど高温が続いている。
播種も順調である。
それだけに市場の人気は甚だ弱い。
大衆筋は安値を売ったままである。
出来高を見ていると、まだ踏むところまで来ていない。産地の天候が崩れ、相場が新値を抜くあたりから踏みが出るのだろう。
下げ幅のほぼ半値戻し地点。
やはり七千四、五百円どころは新規に買いづらいようだ。
従って、長丁場の天候相場に向かうおりだけに、押し目拾いの態度が採られよう。
下値は生産者コストの高騰、流通経費の上昇、諸物価との比較観などから、消費地相場一万七千円は妥当な水準であろう。
この一万七千円に人気料が上積みされるわけだ。もちろん現物の重味というものはつきまとうであろう。
筆者は、ここで押し目を入れて、再び反発する相場を想定する。
その反発力が、七千七百円を勢いよく抜いて八千円相場展開の幕を切って落とすかどうか、ここのところが当面強弱両陣営の焦点なることであろう。
それは一にも二にも今後の天候の推移次第である。長期予報によると少しも楽観は出来ない。
特に播種後、発芽期を迎え、それまでが、あまりにも好天に恵まれすぎていたことから、天候にも反動があるだろうと思う。
九月限で一万六千五百円。売って、叩いて、叩ききれなかった相場を、この先、果たして売り崩すことが出来ようか。
順気、発芽良好、成育良好、青田ほめ、梅雨、不需要期、金詰まり、在庫の重圧、買い過ぎた取り組み―という条件が揃えば今売り方が期待している反落、崩落場面もあるだろうが、取り組みは、むしろ売られているし、発芽後の遅霜が予報されている以上、八千円乗せはストップに乗って―ということもあながち楽天的な観測とはいえない。
●編集部註
穀物相場ゆえ限月ごとにばらつきがあるのだが、要するに売り方は、腕力で一万六千五百~一万七
千円の岩盤に穴を開けようとしているが、その目論見は崩れるであろうと風林火山は読んでいる。
預言者の如き分析だ。
【昭和四九年五月二四日小豆十月限大阪一万七三一〇円・四〇円高/東京一万七三〇〇円・四〇円高】