一応全値戻し 早受け続出好感
早くも全値戻しを目指す大勢。天候が悪ければ儲けもの―式の強気勢力が台頭するところか。
「瓦煎餅反(そり)うつくしや楠公祭 青邨」
産地・北海道はこのところ好天に恵まれて農作業もはかどっているという。このペースでいくと、十勝地区でも二十五日までに八〇~九〇%の播種を終えそうだ。
ところで相場の方だが、東京市場で千枚近い早渡し希望が出されたのを契機として反騰に転じている。
「これほどサヤがあれば格好の儲け口」と、サヤ取りの受けも実に活発。あっという間に早渡し残は二百五十枚ほどに減ってしまった。
確か大阪もホクレンから大量の早渡し希望が出されていたし、長期早渡し制度を採用している市場だ。サヤは東京以上にあるのだから、もっとサヤ取り筋が動いて当然の話だが、なにせ大阪は保証金が高い。
例えば、今月早受けして割高水準の九月限へ早渡しをかけると、大阪市場だと二五%、それが東京市場だと八%で済む。
その違いが出ているだけで、別に西市場に悪い代物が寄っているわけではない。
それにしてもこの「長期早渡し制度」、当初は現物手持ち筋の救済《つなぎが定期値上がりで踏まれるケースが多かった》が目的のはず。
それが時移り風向きも随分と変わったものだ。
ある強気店では『実弾が納会一本でぶっつけられると影響も大きかっただろうが、これで、早受け分については九月限までカンヅメの形になり、荷圧迫感も相当に軽減する』と。
これに対して、早受けといっても、しょせんはサヤ取り、先へいって荷をかぶる〝自転車操業〟を現在行っているに過ぎない。幸い産地の天候もよく播種も順調に進んでいる。もとより六、七月積みの手当て分も多い。ここからさらに買い上げていけるかどうか甚だ疑問―という見方もあるわけだ。
さてどういうことになるか。天候へのウェイトが次第にますわけで軽率な結論が出せないものの、こういう考え方はどうだろう。
石油インフレですべての公共料金が上がる。天候要素は今のところ五分と五分ながら、生産資材の値上がり、労働費の急上昇で、農家も素俵の一万五千円は最低欲しい。
つまり消費地の一万七千円は、たとい平年作でも49年産小豆の最低線。
天候要因のプラスアルファを楽しむには、強気思考により妙味がある。
●編集部註
その強気思考直後に急落するから意地悪だ。
【昭和四九年五月二三日小豆十月限大阪一万七二二〇円・一三〇円安/東京一万七二六〇円・一〇円高】