昭和の風林史(昭和四九年四月二六日掲載分)

強気 強気 強気 迷う者即ち敗者

玄人筋は懐疑的であるが、小豆相場の大勢は、あくまでの大相場出現の前夜である。迷いは敗北。

「鼓を打てば朱扉にひびかひ釈祭 自得」

小豆相場に対して総体に玄人筋は〝今ここでの強気〟に対して懐疑的である。

それというのは、すぐに八千円台を買いきっていく材料がない。天候相場までにまだ時間がある。一般に強気が多い市場で、売り込みが足りない。仕手筋は商品にも戦線を拡大しているから集中力が弱いし現物と定期の両刀使いは作戦的に無理が生じる。

東京当限納会を受けた山梨系は五月限以降に売り建て玉があり、四月に受けたものが今後の天候等の状況如何で再び市場に逆流しかねない。

弱気筋は九月限の六千五百円以下がほしいところであろう。

しかし、月末→新ポと相場の流れが変わる時期に来ているというだけに、高値更新というエキサイトする場面も充分予測できる。

この相場が高値を更新すれば、売り方が大きく動揺する事は見えている。

時期が早いという、ただひとつのよりどころが崩れて早い目に出発するかに見える相場を眺め、バスに乗り遅れるなと飛び乗る乗客がふえるだろう。

売っている人たちにしても、今の七千円が高すぎるとは思っていないはずだ。筆者に言わしめれば仕方なく弱気しているのだと思う。安ければ売り玉を利食いして、そっとポケットに買い玉を入れておきたい。

ただ相場が意に反して安くならない。だから自分に納得できるような材料のはしくれを見つけてきて弱気を唱えているだけだ。

新ポ。産地の十月限は新穀相場。

これを千円上に買うか七百円ぐらいのサヤになるかいずれにしろ他限月、他市場を刺激せずにおれない。

そのほかに49年産小豆のオッパ取り引きで二万円カイの契約が出来ないとは言えない。

今の相場を弱気している某取引員の社長が『種もまだ蒔いていない小豆だよ。それを強気するのは正気の沙汰でない』と言う。しかし先物市場というのはそういうものである。それが先物市場の機能であり、他の取り引きと違うところで、そんな事は百も承知でいながらポケットに売り玉を持っていると、ついそういう事が言いたくなるのだ。

●編集部註
記事も相場観も逆張りの方が書きやすい。

波に乗り遅れ、今更この波に乗れるかよという気持ちが冷静な判断をさせなくする。上記の如き強気一貫姿勢は稀有だ。

【昭和四九年四月二五日小豆九月限大阪一万七一四〇円・一七〇円安/東京一万七〇一〇円・二四〇円安】