昭和の風林史(昭和四九年二月二七日掲載分)

七千円乗せへ 騰勢侮り難し!!

当面一万七千円乗せ。押した幅の倍返し。時に三倍返しもある。相場は上伸するために存在する。

「田楽もかたき豆腐にかたき味噌 虚子」

小豆の一万五千円という値段は、ちょっと小豆相場を知っている人なら底値であることを感じている。生産費他、雑豆との比較、人気料、先行きの天候思惑など、それらの要素が入り組んで、一万五千円なら買っておいて儲かる。

しかし相場というもの、誰もが底値だと思う値段まではとどかない。きっと、その値段より上のほうで止まる。

小豆の千円押しという玄人筋の予想は、そういうところからきている。一万五千円より五百円ほど上の値段が、だいたい千円押しの地点。

しかし、千円も押さずに26日の大引けにかけ急反発した。納会事情を好感したこともある。海外商品高騰も刺激材料になった。

しかし、千円押すものなら五、六百円安地点から買い下がっていけばよいという安心感と積極性がこの反発になって現れた。

相場は先見性というよりは先行性のある動物である。

こうなると、安値を売っていた玉が動揺しだす。

一月25日以降の、値段でいえば一万四千六、七百円(六月限)あたり、桑名筋が派手に投げた場所を大衆は思い切って売り込んだ。

これらの売り玉は二月21日の高値まで辛抱して、千円下げを期待した。

だが、そうは問屋が卸さない。

安値の売り玉は相場上昇のエネルギー源である。

これを燃焼してしまうまで上昇運動は続く。

さて、六月限で七百円押し。七月限で六百円押し。押した値幅の倍返しが目先の目標値になる。

当然一万七千円乗せだ。

そこで踏みが出るか、新規に強烈な刺激材料が出現するかどうかで一月大発会の高値顔合わせ近辺まで一気に突っ走る。

おりから春闘たけなわ、春の需要期、異常気象。

現在、小豆相場は期待されている。

恐らくこの期待を裏切ることはあるまい。

今年も仕手含みの大型相場である。そして太陽の黒点運動が停滞する年に入っているため冷夏型気象だ。あるいは旱ばつとも言う。世界の食糧不足も小豆相場に関心をもたらす材料の一ツだろう。

●編集部注
もうすぐ東京小豆の日足に美しい陽線が出現。伏線は、もうこのあたりから張られている。

その陽線がどう解釈されるか。前後の記述に注目してお読み戴きたい。

【昭和四九年二月二六日小豆七月限大阪一万六六五〇円・一九〇円高/東京一万六四八〇円・一五〇円高】