昭和の風林史(昭和四九年二月二十日掲載分)

若さが強味だ 人気が人気呼ぶ

投機市場の法則は投機熱が新たな投機エネルギーを呼ぶことである。小豆は人気化の前兆。

「水底にゆく水うつる春日かな 句仏」

本紙の紙質がテカテカのピカピカになっている事についてよく聞かれる。この紙は輸入紙である。紙不足は緩和したという話は聞くが、紙の種類によって依然品不足が続いている。値段も割高であるが、その日暮らしのように、きょうはあの紙あすはこの紙という格好の悪いことも出来ず、一カ月分、あるいは五十日分と纏めて手当てする。

同業各紙はそれぞれ購読料金を値上げしている。印刷費、紙代、インキ代、刷り工賃等の値上がりがきつい。また発送配達関係の経費も嵩む。

本紙も購読料を引き上げたいが、今はその時期ではないと思う。

購読料を引き上げても、その分だけ有料部数が減っては意味がない。突き上げのきつい経費増を、他の部門で辻褄を合わすとなれば広告料金の引き上げしかない。しかしこれも限度がある。

要は紙面の内容を、より充実し、発行部数を伸ばすしかない。

さて相場のほうは勢いがついてきた。

先限など、生まれてからどこを売った玉も皆、引かされて力の関係は完全に買い方有利だ。

五、六月限も大発会の高値と二月四日の高値の半値戻し地点から三分の二戻しに向かおうという勢い。

だが、まだまだこの相場を単なる戻りぐらいにしか見ていない人が多い。

高値警戒人気というか、深い押し目が入るのではないか―と。

筆者は何度も書くが一月四日の高値を取りに行く相場だと見ている。

戻りではなく大手直り。二月四日の安値は本年前半相場の大底―と。

上昇相場を支援する材料としては春の需要だ。現物の売れ行きは非常にによいという。

そして作付け動向と夏の天候。輸送問題。

ここで見逃す事の出来ないのは昨年活躍した桑名筋の後退と今後の動向である。あれだけ大きな存在の投機集団が市場から抜けて、抜けた事が一種の灰汁抜けにもなった。

底打ちが早かったのも桑名筋の後退があったからである。

ともかく、これからは一雨ごとに暖かくなるように、百円でも、二百円でも押しては伸び、押しては伸び、結局踏み上げ、続伸ということになろう。

●編集部注
 買えない相場は強い。 昔の人は、実に上手い事を言う。熟慮断行で買った途端に下がる所までがセットになっている。

【昭和四九年二月十九日小豆七月限大阪一万六三九〇円・三六〇円高/一万六二五〇円・四〇〇円高】