息の長い相場 玄人筋虎視眈眈
手がかり待ちの小豆相場である。安ければ買い玉を長期的に仕込もうとする人が多い。
「寒鮒を茶で煮る鍋のあるばかり 龍男」
今週は正味四日の相場で15日が成人の日の祝日。19日が第三土曜で証券、商品市場とも休会。
お小遣いも、だいたい使い果たしていることなので正月のお酒の残りなどを家で飲むということになる。
相場のほうは決め手がない。
帯広での商談会は予想外に盛況であった―ということが、買い方の気分をよくしている程度。
市場では大体強気も弱気も、あらかた材料を言い尽くしたところで、あとは春の交易会、本年の天候、政府の物価対策、春闘、作付け予想、仕手筋の今後の出方、他商品相場の動向などが、改めて論議されよう。
一般に、輸送事情ひとつ取り上げても、昨年に見られたように、今後二月、三月、四月と国労、動労等を主体とする全国的な交通ゼネストなどから、いよいよ物流の面は事態の悪化を見ることになり、産地に小豆は豊富にあっても、運搬出来ない。
いま、ここで昨年の小豆相場をふり返ってみて言えることは、未曾有の在庫をかかえながら、価格水準を高め、大豊作にもかかわらず新穀の出荷が、きわめて低調であったことが特色づけられる。
それは強度のインフレを素地に、過大な投機資金が小豆市場に流れ込んだからでもあり、また、流通面がマヒしたことも大きな要因となった。
そして新しい年を迎えて、新たに、身近な材料として前面に控えているのが今年の天候である。
既に異常気象の兆候はわれわれの知るところである。
また、太陽黒点活動の最小期にはいる事や、九のつく年の冷害凶作という過去の例など、本年の北海道の天候に関しては、まったく楽観出来ない。
相場というものは、消費地に豊富な在庫があっても、また、大豊作のあとでも、いざその場になって天候不順という現実を見ると、必ず反応を示すもので天災期限月は、安ければ安いで強気してくる人があとを断つまい。
全般に、昨年の相場で小豆相場のクロウト筋は大敗した。
本年は、その損失を取り戻す年だと、虎視眈眈(こしたんたん)だ。
●編集部注
商品相場において素人は買いで勝負する。逆にクロウトは売りで勝負する。故に前年大敗した。
昭和四九年一月、小豆相場でクロウトの逆襲がまもなく始まろうとしている。これを踏まえて今後をお読み戴きたい。
【昭和四九年一月十四日小豆六月限大阪一万七〇四〇円・一五〇円安/東京一万七〇二〇円・二二〇円安】