昭和の風林史(昭和四九年一月十八日掲載分)

熱狂せず高い 上伸力充分温存

熱狂しないで水準を切り上げる相場は怖い。ニヒルな顔して高値を高進する相場である。

「初釜やそれきりなりし朝の雪 さかえ」

一万八千円を買い切ってしまうには時期が早い―という見方も多いけれど、相場のほうは一足早く押し目を完了して一万九千円に向かった。

商いは薄い。しかしいろいろな週刊誌が今年の異常天候と太陽の黒点の極小期をとりあげ、食糧危機を心配している。

天候相場は、まだ先の事であるが、天災期限月はもう建っている。

六月限の一万七千円ラインが頑強であったのは、七千円割れなら買って長期思惑に持ち込もうという人が多かったためである。

さて、この小豆、どのあたりが妥当な水準なのか。供給総量と需給総量とを比較すれば、今の水準が安いとは言えない。

しかし生産費、流通市場、他の物価との比較、そして仮需要とインフレ対策の対象商品という面から見れば二万円でも二万五千円でも付いた値が相場になるだろう。

まして異常天候、凶作予想という投機人気を刺激する未知数の要因を考えれば市場開所来の高値出現も充分に予測出来る。

昨年からの相場のクセとして月の12、13、14日ごろが安くて、そのあと月末から新ポにかけて上伸するサイクルを繰り返している。これにはなにか、わけがあるのかもしれないが他商品との人気面における関連も無視出来ない。

サイクルからいえば、これから月末に向かって高くなるところである。

筆者は、難しく考える必要がないと思うようになった。

いうなればケイ線でも昔の売り線、男の子なら、ここを売らねばという線が出た時は、逆に買えばよいし、昔の買い線、いまは利食い売りである。

現物の売れ行きだとか在庫だ、日柄だ、なんだかんだ―と強弱垂れる必要のない相場で黙々と押したところを買っておけばよい。

そして定期相場を張る以上は、一万円大台を考えず、十年前のようにただの七千円、八千円と思えばよい。

一万七千円とか一万八千円と思うから、いかにも高く思えるが普通の七千円、八千円の相場だと思えば、値ごろ観で売ったりはしないだろう。

●編集部註
 今も昔も変わらないモノや行事を探す事が多い。

 つくづく相場心理は変わらないモノだ、そして相場が意地悪で天邪鬼である事も変わらない。

 大相撲も1月は初場所と決まっている。この時に初優勝したのが、昨年急死した日本相撲協会理事長、北の湖敏満である。

【昭和四九年一月十七日小豆六月限大阪一万七三二〇円・六〇円安/東京一万七三〇〇円・一〇円高】