昭和の風林史(昭和五十年二月二四日掲載分)

奔走の姿示す 買い玉温存せよ

週末の手亡相場の引け味は、非常に張りのあるもので週明け奔走してもよい格好である。

「この道しかない春の雪降る 山頭火」

先週末の手亡相場は、あらためてその強さを知らしめた。

市場全般は、穀物相場の活動期接近という期待した空気が満ちているが、時ならぬ春の雪のように、相場天気図は安定しない。徐々に、だんだん暖候期に向かうわけだが、時間を要する。

有能で活動的な腕利きの各社営業マンは、二月当限の落ちたあとの穀物相場に、有力な顧客筋を集中しようと努力している。

今年の場合、最終的には小豆のきらびやかな大相場の展開が予測されているが、小豆大相場の前哨戦として身の軽い手亡相場が奔騰するだろうと予想されている。

そういうことから三月三日桃の節句に生まれる手亡八月限は、かなり強力で長期的な買い玉が集中されることであろう。

すでに月末接近に伴って、手亡の相場つきは今までと違う張りつめたものを持ち出した。

22日・土曜の引け味など新値で強張り、これが週明け、飛躍せんとする構えである。

なにがどう―ということは充分に書き尽くしたいま、ひたすら買い玉を維持し、奔走の時を待つのみである。

ここで小豆相場も21日、2月6日値から七百八十円幅の下げを見せたが、これは期近限月の重い事情を反映しての、薄商い下の売りものによる、実態を反映していない下げに終わった。早晩、小豆相場は投機家の目をそばたてること必定。

さて、相場は、小豆といわず、手亡といわず、ともかく強気したままでよい。小豆の(先限)七千円割れなど、またとない絶好の買いナンピンの場であった。買い玉は持ったまま、機の熟すのを待て。

ところで、筆者は、わが業界の一部業者の、時節柄甚だ遺憾と思われる二百名にのぼる韓国賭博場開設記念の慶祝参加に対してあくまでも反対する。

すでに良識ある業界人はこのような企画が、なんの抵抗もなく進められている現象を見て社会におよぼす影響を無視した、あまりにも軽率な行為として激しく攻撃するのである。筆者も業界与論を喚起して反省をうながすものである。

●編集部注
 当時の状況を知らぬ者としては、この時の小豆相場よりも、野次馬根性で韓国旅行問題(?)の方が気になってしまう。

 つくづく、ネットがない時代だからこそ出来た所業であったといえる。

 今なら間違いなく大炎上事案となっている筈。

【昭和五十年二月二二日小豆七月限大阪一万七〇九〇円・二四〇円高/東京一万七一八〇円・一九〇円高】