昭和の風林史(昭和五十年二月一日掲載分)

底値圏脱出! これからが相場

政府の不況対策本格化。大きな思惑が穀物市場を包み始めた。手亡に火柱が立ち、小豆も燃える。

こんどは売り方が唖然とする番である。人気が燃え、投機の歯車が回転し始めたと見るや、早くも年初来の高値奪回を目指す姿だ。

手亡の線型は「逆三尊」の型、逆さにすると三尊型でケイ線の教科書に出てくるような模範的(?)な暴落暗示線となる。

安値圏での逆三尊型はもとより暴騰を示唆。新値抜けて火柱が立つ。

七四年産ピービーンズは良質という。豊作とあれば不思議のないことで、格差二千五百円引きの実質九千五百円どころのピーならサヤ取りよし、案外実需向けに、すんなりと捌けるかもしれない。かつての手垢に染まったピービーンズが脳裏に焼き付いており、食わず嫌い―というわけか。

ところで、下期の雑豆輸入ワクの発表は目前に迫っている。いろいろと言われるが、結局、落ち着くところは「いんげんワクは七〇〇万㌦強」の常識的な線になるようだ。

頭の痛いのが輸入商社、一三ドル台(百ポンドあたり)という安値で追契の好機を逸し、止めをさしたつもりのピー渡しで、反対に足元を見すかされたのだから、思惑はずれもよいところ。

なあに国内定期が高くなればまた買い付けるサ―というつもりだろうが、同じ手を二度、三度くうのは余程の頓馬野郎と決まっている。生き馬の目を抜くのが相場の社会である。今度、追契のニュースがあれば下げるどころか、暴騰の引き金になろう。

人気の回復といえば、穀物に限らず、他の商品は俄かに明るいムードだ。大蔵省首脳の政策転換の意思表示を好感したのだろうが、驚くべき敏感さである。

政府が不況対策に本腰を入れはじめれば、商品市況はどうなるか。これは言わずとも明らかであろう。

流動性のある投機資金が活躍するのはこれからである。大きな思惑が穀物市場を包み、熱狂を呈するのも遠くはない。

手亡が尖兵なら、小豆は悠々たる大河の流れである。ゆったりと、それでいて、なに人といえども流れを妨げることはできない。

減反、天候不安を材料にするのは早すぎるという。そんな人気だからこそこんな安値で買い仕込めるのである。小豆は途方もない大相場に発展しよう。

●編集部注
残念ながら、まだ保合いのトンネルは続く。

予測通り、上昇の火柱は立ち上がる。しかし、それは黄金週間以降だ。それまでは一万七〇〇〇円を挟んだ攻防が続く。

【昭和五十年一月三一日小豆六月限大阪一万七二九〇円・一〇〇円高/東京一万七三二〇円・変わらず】