昭和の風林史(昭和五十年一月三十日掲載分)

手亡沸騰含み 小豆晩成型

手亡の相場は沸騰したがっている。S高含みともいえる。小豆は大器晩成型の大相場を暗示。

「ふつふつと粥わく音や水仙花 碧梧桐」

お客さんは、どういう事になっているかというと、手亡の高値を飛び付き買いして、急落にもめげず投げきっていない。そしてまた安値を買ったところだ。
店によって客筋の動向は違うだろうが、取り組み表から判断して、やはり大衆筋は強気の姿勢を崩していない。

手亡の線型はMの字型の三点底。昨年11月の20日三千百八十円。暮れの18日二千七百七十円。そして28日の三千百六十円。
先限引き継ぎ線で見れば鮮やかな大底練りで、ひとたび四千七百円を買い切れば五千五百円以上の相場を明示している。

市場では、ピービーンズの圧迫や商社筋の動きに神経質すぎるほどピリピリしているが、定期の取り組みがふとり、大衆人気が燃えてくると、ピービーンズの10万俵、二千五百枚ぐらいなものは目ざわりにもなるまい。

要は市場に巨大な投機資金が流れ込み、これがエネルギーとなって、回転(出来高)し、先高期待で熱気を帯び、現実の支援材料(例えば外貨ワクの圧縮。作付け面積の大幅減反。ピービーンズの市場回復。天候異変。仕手の介入など)が出現すれば、火柱が立つのだ。

さて28、29日の手亡日足線だが陽の陽立ちで下の六本のかたまりを一気に買い切って、その勢いたるや四千円抜けS高もあり得る場面だった。

明らかに相場は沸騰したがっている。

一方、小豆相場も17日の頭から先限六百円幅しか押していない。

強いというべきか、恐るべしというべきか、小豆相場はこのままではおさまらない事を明示している。

ところで本日三面(注:昭和50年1月30日紙面)に菓子類の売れ行きをグラフにしたものを掲載した。

和生菓子の売れ行きは年年落ちている―という観念が一般的に浸透しているようだが、昭和41年当時に比較して大幅に伸びていることが判然としている。

筆者はある席で老齢年金が大幅アップになるから和生菓子の売れ行きも、かなり増大するだろうと相場の強弱に老齢年金をひっかけたところ爆笑されたが、菓子類の需要は景気の落ち込みほど落ちてはいないのだ。

●編集部註
「冬は湯豆腐、夏は冷奴」という外務員の鉄板ネタを思い出した。

大豆の需要は一年を通して落ち込まないから買いだと客先で繰り返し、本当に新規注文を取ってきた人物を知っている。

【昭和五十年一月一月二九日小豆六月限大阪一万七〇二〇円・一一〇円高/東京一万七〇七〇円・一二〇円高】