昭和の風林史(昭和五十年一月二八日掲載分)

疾走寸前の姿 七月限登場で点火

二月が三日新ポで七月限が登場するなんて、なんとも粋(いき)じゃなかろうか。

「白魚は雫ばかりの重さかな 子規」

小豆相場は半値押し完了の格好である。

暮れの18日の安値から今月17日の高値(先限引き継ぎ)に対して23日の安値が半値地点に当たる。相場は再び上昇に転じよう。

手亡六月限が千五百四十円上げて、往ってこいで上げ幅のほぼ九割をアッケラカンと下げてしまったのに対して、小豆六月限は八百三十円高に対して六百円の押し。非常に強い。

筆者は小豆は、もとより強気だが手亡の先限も再度一万四千円台に乗せると思う。

上昇場面で手亡に飛びつき買いした玉が急落で整理された(投げた)。下げのS安で人気が極端に弱くなり一万三千円割れ必至の気分で売り込んだ。結局ピービーンズの圧迫を過大に悲観視した。

こういう事が幾度か繰り返されると、必ず、市場ではピービーンズの供用格差を虐待しなければ市場が淋れるという動きになり、市場管理委員会や全穀連などが解決策を見つけだす。かつての穀物市場は一部の市場実力者(ボス)や〝私情管理委員長〟などが『わが思惑玉のためならば…』、随分露骨に供用格差を操作して〝密室での利益〟を得ようとしたものだ。

しかし、昨今、そのような〝黒い格差〟は世論が許さない。穀物市場も、だんだん硝子張りになりつつあるのだ。

S安二発で下げたあとの手亡だけに、まず七百五十円の窓を埋めて、一万四千円奪回の激しい動きになるだろう。これは相場の持つ自然の力である。

ところで小豆のほうは押し目幅の倍返し。先限の七千九百円は当面の目標になろう。

相場というものは、大勢的に、これは上だと見きわめさえつけば目先のアヤなど無視して目標値まで強気ひと筋でなければ儲けることは出来ない。

まして大底の入った相場だ。天井するまで買い一貫でよいのである。

どう見ても今の小豆相場は上に行こうとしている。手亡安で冷やされたけれど、かえって、この押し目が小豆相場を強靭なものにした。

二月三日の新ポには、いよいよ七月限が登場する。七月といえば、なんとも粋(いき)な限月で、巡洋艦〝妙高〟の煙突みたいに粋(すい)である。小生の好きな限月だ。

●編集部註
 大正時代に横須賀で建造された巡洋艦が妙高。同じ頃に呉で建造されたのが那智。映画『この世界の片隅に』が評判だが、生きていれば、さぞかし評価していた事だろう。

【昭和五十年一月二七日小豆六月限大阪一万六八九〇円・一二〇円安/東京一万六九八〇円・三〇円安】