昭和の風林史(昭和五十年一月二四日掲載分)

下値に届いた 強烈切り返しへ

ムード売りは一時的。手亡の叩き込みでアクが抜けた穀物市場。厄を済まして反騰態勢へ移る。

「干鱈さげて帰りは登る島の坂 予志」

大手亡はピービーンズ成約を伝え脳震盪を起こし、そばで見ていた小豆までが気分を悪くした―という最近の穀物市場である。

ミシガン・ピービーンズの成約量については商社によって見方が違う。

『ヘイ・シチー渡しで一三・八五ドル(百ポンド当たり)、積み期は四、五月で千五百から二千トン契約した模様』

『イヤ、まだ二千トン成約まで漕ぎつけていない。だが、各商社(三晶、日昌、東食、大昌貿など)とも、国内定期のつなぎを終えてあと買い付け時期を狙っていることは確かだ。最終的には四~六月積みで四千トンがらみの契約が見込まれる』

そして、あとは単純な計算作業である。

一三・八五ドルは、トン換算で三〇四・七ドルで、一ドルを三百円とすると、九万一千四百十円、それにフレート、関税、調整金、それと諸掛かりが幾らに見積もって、これを60キロ俵に換算して…。

と、ハジき出した値段が一万円ソコソコ。格差の二千五百円をフラストして、一万二千六百円前後が採算ペースというわけ。

売り目標は一万三千円割れ!!実に理路整然、説得力も充分である。

まあ、こういうふうな考え方をすれば、相場で頭を悩ますこともいらないわけだ。ただし、情報張り、計算張りは他人(ひと)の尻を追っかけ回し、その結果はいつも一歩、一歩遅れをとることになる。

現在の手亡の居所はS安二発で、昨年暮れの底練りを少し上回った地点。恐らく九分九厘の確率で、この水準を売り込むと大怪我をしよう。

十万俵を越す厚い取り組みを擁する手亡市場である。三、四千トンのピービーンズ追契でぶっ潰れる、ちゃちな市場ではない。俵数で五万~六万六千俵、枚数にして一千五十~一千六百枚ではないか。

まして値を出して新穀を誘い出さなければ、どうにもならない手亡の需給である。

むろん、小豆とて大局は上のもの。金塊をわざわざ〝銀メッキ〟して眺めているが、奔騰の値打ちはメッキがはげてくれば自然と判るものだ。小豆、手亡とも強力反騰は必至。

●編集部注
相場世界から離れて、先週日曜、大相撲初場所で稀勢の里が初優勝した。

昭和五十年の初場所を調べると、後に「江川、ピーマン、北の湖」と嫌われものとして並び称され、一昨年鬼籍に入った北の湖が優勝していた。

【昭和五十年一月二三日小豆六月限大阪一万六八一〇円・一〇〇円高/東京一万六九〇〇円・四〇円安】