静かに越年す 新年に期待かけ
なんとの静かな越年になりそうだ。新年に大きな期待がかけられているが行動力が発揮されない。
「桑枯れてなりはひもなき町の音 秋桜子」
いろいろな年があった今年も、きょう、あすで相場は終わる。商いが極度に細っているのが心淋しいが、ともかく終わるのだ―という安堵感がある。
大発会は一月六日。四日が第一土曜の休会だから間のびする。証券市場は四日が初立会いで、銀行も官庁も四日から始まる。
相場は立たぬが四日仕事始めにする取引員もあるようだ。六日じゃ締まらない。一年の計は元旦にあり。
計算してみると一月は31日のうち第一、第三土曜日の休日を含め10日も休日だ。正味働く日数が少ない上に相場が閑だと、これは困る。
生活の知恵とでもいうのか、経営の知恵かもしれないが、当限の納会が終わった次の日に新限月を発会させたいという案は、一歩進んだ考え方である。
そうなると二日新ポだとか三日新ポなどという言葉が消える。
穀物市場でも、現在60㌔一俵の値段が建て値になっているが、これを一㌔の値段を建て値にしようという動きがある。
キロ建てならいまの値段を60で割ればよい。仮りに一俵二万円の相場なら三百三十四円である。
ポケットに入るような計算機が当分のあいだ必要になるかもしれない。
ケイ線を引くにも、いちいち60㌔に換算しなおす必要がある。
人は、いろいろな事を考えながら進歩していく。穀取業界も少しずつ進歩していかなければならない。閑だ、閑だと天を仰いで嘆息していたのでは、なにも片づかない。
市場は残り少ない立ち会い日数を気にしながら気迷いを深めている。
来年は、大きな相場が期待出来るとしながらも、一月、二月の不需要期に荷圧迫で一段安があるのではないかという不安もある。
手亡もピービーンズの通関で、一段安懸念がぬぐえないようだ。
一方、大発会に登場する小豆の六月限は、かなりのサヤを買って生まれよう。それに刺激されて長期限月も活動するだろう。年内に買い玉を建てて新年を楽しみにするという動きも見られる。ともあれ、静かな越年である。
●編集部註
カシオが世界初の「ポケットに入るような計算機」を一万二八〇〇円で販売したのが昭和四七年。十カ月で百万台売れた。
これを機に「電卓戦争」が始まり、各メーカーがしのぎを削る。昭和五一年の四月になるとこの計算機は三九〇〇円まで値下げされる。
【昭和四九年十二月二五日小豆五月限大阪一万六四六〇円・七〇円高/東京一万六四三〇円・九〇円高】