昭和の風林史(昭和四九年十二月二四日掲載分)

明るさ見せる 来年に期待かけ

市場が、なんとなく明るくなった。新春に期待を持つ人も多い。18日の安値が底になったようだ。

「山小屋のいぶせき中につぐみ焼 砂丘」

結局、今年の小豆相場の先限引き継ぎ線の最安値は二月四日立春に付けた一万四千三百円だった。

一月大発会の値段が天井で春の相場は総需要抑制と金融引き締めの二本のロープで身動きがつかなかった。

期待された天候相場は二万円指呼の間で七月26日に大天井を打った。

世界的な異常気象下の奇蹟的豊作(百六十七万俵)であった。

一月発会天井の底が二月四日立春。

七月26日大天井の底が九月28日の一万五千四百七十円と十月23日の一万五千五百十円。

他商品に比較して、小豆の下げ幅は浅かった。

このような動きで今年も終わるわけだが、ここに来て新春相場を期待する明るさが見えてきた。

なんということなしに、来年は穀物相場活躍の年になりそうだ―と。

農林省の大豆増産計画も小豆相場に直接影響する材料である。

そして、いまや常識ともいえる来年の小豆の作付け面積の大幅減反。

生産者の側から言えば、小豆のような採算の悪いものは当然敬遠する。草を植えておいたほうが、よっぽど収入がよいと言われるほどだ。草といっても牧草だが。

大豆にしても反当たり五、六俵の収穫がある。一俵一万五千円ぐらいで保証されれば、小豆をやめて大豆を植えるだろう。

今年で豊作が三年続いたということも、来年の相場に期待を持たせる。

来年あたり冷害・凶作の年になるのではないか―と。

来年の一月大発会は四日が第一土曜日で商品市場は休会だから一月六日が大発会新ポになる。

今年の新ポ飛びついて嫌な思いをした人も多いが、先日18に日の安値で底が入ったと見る巧者筋は、大発会を待たず年のうちに安いところを仕込んでおこうという思惑に入った。

叩かれても一万六千円を割らなかった五月限(先限)相場を見直した感じである。

相場というものは、人気さえ集中すれば少々の在庫豊富でも、仮需要の花が咲く。

大相場を期待しなくとも千円や千五百円幅は新春に夢見てよいようだ。

●編集部注
平成元年生まれがアラサーになっている当節、どっぷりデフレの生活が長いと、当時の物価高がとても新鮮に感じる。

煙草一箱五十円、タクシー初乗り料金二八〇円、公務員の初任給が七万二八〇〇円の時代だ。

【昭和四九年十二月二三日小豆五月限大阪一万六五二〇円・一三〇円高/東京一万六四四〇円・一六〇円高】