昭和の風林史(昭和四九年九月十八日掲載分)

強気方針不変 山川草木皆弱気

底入れした相場が大直り初期の押し目を構成しているところで小豆は予想外の上昇が期待出来る。

「人の世につながる窓の秋晴れぬ 林火」

今週は四日間の立ち会いで三連休を迎える。二連休のあとだけにリズムが崩れる。

小豆市場のほうは、19日の後場引け後に発表される農林省九月一日現在調べ夏作豆類予想収穫量が相場に刺激を与える材料として注目されている。

また、19、20日ごろ北海道に寒気団が襲来しそうで強い霜があるかもしれないこと。そして、中間地帯に発生した輪紋病がひろがり、かなりの被害が出そうなこと。

そういう諸材料に関心が集まっている。

天候相場も、間もなく千秋楽を迎える。初め悪かった作柄も土用からの天候回復で七分作予想が九分五厘まで回復した。そのため相場も水準を沈めた。しかしここに来て、鎌入れ不足が、にわかに囃されるようになった。

百三十万俵ないし百四十五万俵と予想されていた小豆が、百二十万俵ないし百三十万俵という数字に落ちて、これが今後、早霜、病虫害などで、どれだけ減収になるかという時点である。

すでに相場は九月九日重陽の節句に底入れして千円棒を立てた。

V字型の底値脱出である。この反発時の相場の勢いは、単に戻りというようなものではなかった。

そこに相場が、見えざるものを見きわめて、万人総弱気の中を毅然と、あるべき姿に戻ろうとしていることを感じさせるのであった。

今も、市場の人気は弱い。見ていると全般に戻り売りである。

しかし筆者は、すでに底入れし、大直りに転じ、七千円どころを値固めして、八千円挑戦のためのエネルギーを蓄積しているものと判断する。

なぜなら、相場は下げようのない水準であるからだ。仮りに繰り返し小豆が六十万俵あろうと七十万俵あろうと、来年、昭和50年が大幅の作付け減ならばそして明年が大冷害、大凶作の年回りならば、七十万俵在庫など、ものの数ではないわけだ。われわれは相場の先見性を買う。

●編集部註
確かに、休場は相場のリズムを狂わせる。

おまけにこの時の取引は板寄せで、値幅制限も今のようなCBではない。一度板寄せ売買の現場を見学させてもらった事があるが、注文を出す側も通す側も受ける側も、高度な職人芸を持っていた。

TOCOMは今日から新システムに入っている。

電子化したらメカに強い輩が粗相をして場を荒らし、それを防ぐためにシステムをまた変える。その繰り返しである。

【昭和四九年九月十七日小豆二月限大阪一万六九五〇円・四〇〇円安/東京一万七〇七〇円・三五〇円安】